米国時間6月12日、米国ではついにアナログ停波が実施された。これで米テレビ局970余りが完全にデジタル放送に移行したことになる。翌日には、米連邦通信委員会(FCC)から視聴者への対応の様子が報告され、「大きな混乱はなかった」としている。

FCCによると、コールセンターには当日、31万7450件もの問い合わせがあった。8日から当日までは約70万件。内容としては、30%がアナログ-デジタル変換器の動作に関するもので、電話の指示に従い再度デジタル放送波をスキャンすることで解決している、という。

FCCは4000人態勢で問い合わせに対応。問い合わせが最も多かった都市はシカゴで、ダラス・フォートワース、ニューヨーク、フィラデルフィア、バルティモアがそれに続いた。サポートコールがつながるまでの待ち時間は平均4.6分で、対応に要した時間は問い合わせ1件あたり平均8.4分だったという。また、FCCがデジタル移行に関する情報を提供しているWebサイト「DTV.gov」では、5月の月間ページ・ビューが250万ページ強だったが、6月12日は310万ページを超えていたことも分った。

FCCではラストスパート週には、デジタル放送受信の準備ができていない家庭に向けて早急な対応を呼びかける告知を行っていた。FCC会長代理のマイケル・コップス氏は、「停波当日、FCCスタッフのチームが技術的な課題によく対応したことには満足している。しかしまだやるべきことはたくさんある。移行は1日で終わる話ではない」と述べている。