株式会社東芝(東京都港区)は、今週千葉・幕張メッセで開催されているCEATEC2009を機に、世界に先駆けマルチコアCPU「Cell Broadband Engine(Cell)」搭載の「CELLプラットフォーム」を採用した、デジタルハイビジョン液晶テレビ「CELLレグザ55X1」を発表した。

Cellの演算処理能力は、従来のレグザに比べ143倍のパワーを持つ。これにより従来機種に比べ高精細化した超解像処理のほか、複数の映像を並列に処理をすることができるため、過去約26時間分の地デジ番組を最大8チャンネル分同時連続録画できる「タイムシフトマシン」など、これまで実現できなかったさまざまな機能を搭載している。

CELLプラットフォームでは、映像の中のテクスチャー部を緻密な映像に復元する従来の再構成型超解像技術に加え、色自身やエッジ部に対する自己合同性を用いた超解像処理、低解像度のインターネット映像特有の圧縮ノイズの補正や輪郭部のノイズを低減する処理を施すパワーを有する。

今回発表されたのは55型の同社最大パネルサイズになる。この液晶パネルには高輝度LEDバックライトを搭載した「メガLEDパネル」で、従来比2.5倍、業界最高のピーク輝度(ハイライト部の輝度)が1,250cd/m2というスペックで、眩しいほどの白が表現できる。また、LEDバックライトの制御画面を従来の96分割から512分割へと拡大している。

内蔵ハードディスクは3TBで、2TB分が「タイムシフトマシン」に割り当てられており、26時間前までの放送済み番組をいつでもさかのぼって視聴できる。「タイムシフトマシン」用、通常録画用、視聴専用など、目的別に計14個のデジタルチューナーと地上アナログチューナーも搭載している。

東芝では、今年のCES2009など、過去にも何度かCell搭載の試作品を参考出展していた。今回の55型モデルは12月に正式発売するという。オープン価格であるが店頭には100万円程度で販売される見込み。同社では来年米国発売に向けて、国内1000台販売を目指す。