英国公共テレビ局のチャンネル4では、11月16日から一週間、3Dウィークと称して、中継も含む立体映像放送を実験的に実施した。
放送番組には、非公開だった1953年に行われた女王エリザベス2世の即位式のカットを含んだ特別番組や、ディスニーの『ハナモンタナ・ザ・ムービー』、『ダレン・ブラウンの3Dマジック・スペクタクラー』や、以前公開された3D映画、チャンネル4独自の中継放送などが展開された。
一般家庭で立体番組を観るためには専用の3D眼鏡が必要だが、これらは、英国チェーンのスーパーマーケットで、無償で配布された。3D眼鏡はデンマークのSirius3-D社colorCode 3D divisionによるもので、約1千万個用意されたという。
番組は全て合わせて9時間以上になり、これらのオリジナル番組を3Dコンテンツへと変換するのにも、ColorCode 3-D技術が用いられた。また中継も週末に放映されたが、こちらは2台の同期されたカメラからColorCode 3-Dサーバへインジェストされ、リアルタイムでエンコードしたという。
Sirius-3D側によると、3D伝送には、左右の眼用の映像情報は、クロマ信号の同じフィールドに合成されるため、特別伝送帯域幅を強化する必要はないという。
番組視聴者側は、一般家庭で持っている、DVB-T、DVB-CかDVB-S用のMPEG4ベースのデジタル受信機か、MPEG-2のアナログ系受信機とテレビが接続されていれば、特別事前に用意するものはない。後者のアナログ受信機経由だと、アナログとデジタルの画質の違いはあるにしろ、3D映像は楽しめた。また今回の実証実験では、視聴者側は、3D眼鏡をはずして番組を見ても、映像の劣化や目のちらつきなどがなく通常の番組画像と同じように観賞できたという。