住友商事株式会社は2010年2月15日に、ジュピターテレコム（J:COM）が発行する普通株式を対象とするTOB（株式公開買い付け）を実施することを発表した。これは、同日開催された同社取締役会で決定されたもの。
今回のTOBは、87万5834株を買い付け予定数の上限、45万9147株を下限としている。買い付け価格は、同社財務アドバイザーのゴールドマン・サックス証券株式会社の財務分析を参考として、普通株式1株につき13万9500円となった。
同社が87万5834株を追加で取得すると、住友商事のJ:COM株の決定権保有割合は40％になる。応募株券等の数が買い付け予定の下限に満たない場合は、応募株券等の全部の買い付け等は実行しないとする。また、本公開買い付け後に対象者株式を追加取得する予定はない。公開買い付けは、2010年3月3日から2010年4月14日まで実施される。
住友商事は、Liberty Global, Inc.（LGI）グループとの共同で57.46% 分の持ち株を保有した大株主である（2009年6月30日現在）。この共同持ち株会社は2010年2月18日に解散し、住友商事は同年2月18 日をもって、J:COM株を27.41％直接保有することになっている。
またKDDIは2010年2月12日に公にJ:COMへの資本参加について発表しており、LGIグループの保有する中間持株会社3社の持ち分すべてを取得することで、J:COM株（議決権ベース）を31.1%相当保有し、関連会社となる予定である。KDDIとLGIグループの取引は2月19日に実施される予定。
住友商事は、今回の本公開買い付けを行うことで、対象者の上場会社としての独立性を維持・確保しながらも、引き続き大株主として対象者の経営支援について主導性を発揮し、グループとのシナジー効果を引き出し、対象者事業の一層の発展を実現する意向である。
