日本テレビ放送網は3月8日、2011年7月の地デジ完全移行に向けてアナログ放送において生放送番組を除く全番組(スポーツ中継を含む)のレターボックス化に来月4月5日から取り組むと発表した。コマーシャルのレターボックス化は行なわないとする。

アナログ放送のレターボックス化は、完全デジタル化を推進するために放送事業者が一丸となって行う施策であるとし、日本テレビでは、2010年7月にはアナログ放送の全番組をレターボックス化する予定。デジタル放送において「16:9」のアスペクト比で番組を制作し、視聴者に地上デジタルテレビの更なる魅力を伝えていくという。

今回日本テレビでは、2010年度の巨人戦中継において「完全 16:9映像制作への挑戦」という位置付けの下で、新たな画角に対応した野球中継の演出を行う。アナログ放送は「4:3」サイズであるため、HD映像の両サイドをカットする「サイドカット」という手法で放送する。このため両サイドを余白扱いにして映像を制作しなければならず、デジタルテレビ本来の16:9のフルサイズを生かしきれない。一方、レターボックスでの放送では、アナログ放送でも16:9の映像を提供できるため、本来の16:9の映像制作に臨めるようになるという。

なお日本テレビは、「2011地デジコンテンツ開発プロジェクト」を3月8日付けで新設したと発表した。社内各部署総勢26名がメンバーとなる。

これまでも「地デジ推進委員会」や「地デジ推進実行委員」といった社内横断的プロジェクトは存在したが、「地デジ推進の一方で地デジ時代にふさわしいコンテンツ開発の必要性が高まってきたため、このプロジェクトを新たに立上げた」としている。