日本SGI株式会社(東京都渋谷区)は、国立大学法人東京大学物性研究所(千葉県柏市)から次期スーパーコンピュータシステムを受注したと発表した。同システムは7月1日より本格稼働する予定だという。
同システムは、多数のノードで並列処理するスカラー型とノード単体処理が速いベクトル型の2系統のシステムで構成された大規模な複合システム。中核となるスカラー型スーパーコンピュータに2,93GHzインテル Xeon プロセッサー 5500番台を3,840個搭載した「SGI Altix ICEシリーズ」を採用。ベクトル型スーパーコンピュータには「NEC SX-9」が導入され、ノード単体性能が特に必要な応用計算やプログラムを実行するための計算サーバとして利用される予定。
また、ノード間接続には最新のインターコネクト技術である「InfiniBand QDR」を採用し高速なデータ転送を実現。さらに、クラスタファイルシステムに並列分散ファイルシステム「Lustre」が導入され、多数のCPUが処理した大量の計算データを円滑に読み書きするための高速で安定したファイルシステムが構築される。
「SGI Altix ICEシリーズ」は、高密度実装クラスタ製品であり、同社が扱うデータセンター製品に利用されている、高効率電源、低電圧メモリの利用、水冷オプションの採用によるエネルギー効率の改善などにより、省エネ効果を高めたEcoシステムだという。
今回のシステム更新によって演算処理能力が飛躍的に向上することで、従来は主にベクトル機が用いられていた第一原理計算をはじめ多岐にわたる応用計算処理がスカラー機で対応可能となる。