シリコンスタジオ株式会社(東京都渋谷区)は5月24日に、株式会社ジュピターテレコム(J:COM、東京都千代田区)の2拠点に共有サーバを核としたノンリニアのコラボレーション環境を可能とする米EditShare社製の共有ストレージサーバシステム「XStream(エクス・ストリーム)」を納入したと発表した。
XStreamは、ハイエンド共有ストレージサーバで、HDや2K素材を扱うプロダクション環境に対応するイーサネットベースの共有ストレージソリューション。J:COMでは、制作物の増加、多様化に対応するため、サーバーベースのシステム構築を検討していたという。インジェストしたメディアの共有による効率化、 冗長的にデータ全体の共有化を進めて全体の作業効率を上げるためのデータのセンタライズ化をキーポイントとしてSAN環境でのシステム選定を進めていた。そこにNASベースのシステムでありながら、1クライアント当りDVCProHD x 4ストリームを確保できるXStreamのハイパフォーマンスに注目、導入に至ったという。
今回、J:COMで採用されたXStreamは、出資および運営している、ムービープラス、LaLa TV、ゴルフネットワーク、チャンネル銀河チャンネルの購入番組を放送用に加工する作業と、その番宣等を制作する作業で使われている。XStream は、J:COMの2拠点、青海スタジオと丸の内のオフィスに設置され、拠点間は100Mbpsの専用線で結ばれている。
青海側では、主にインジェストと素材確認が7式のApple Final Cut Pro(FCP)システムで行なわれ、丸の内側では、主に青海で取り込んだ素材の編集を10式のFCPシステムで行われている。これら2拠点でのサーバ環境は一つのNASシステム化され、共有作業環境のもとで運用されている。
XStreamは、最近では米カリフォルニアにあるLUSSIERプロダクションハウスに48TBのシステムが採用されたことで知られている。LUSSIERでは、AvidとFinal Cut Pro合わせて16システムでの編集ワークフロー間の中核サーバとして設置され、日本でも人気米国番組である「デスぺラードな妻たち」、「LOST」などのプロモーション用コンテンツ制作やハリウッド映画のトレーラーコンテンツの編集などを請け負っている。