米Adobe Systems社は、Flash Player 10.1のWindows、Mac、Linux版の提供を開始した。いずれのバージョンもすでにダウンロードが可能で、6月中にはFlash Player 10.1 for Androidのリリースが予定されている。

このバージョンでは、主に、パフォーマンスと電源管理の改良、ビデオ関連の改良、マルチタッチ対応の3点に関しての改良や追加対応が行われた。

パフォーマンスと電源管理の改良では、実行速度を引き上げ、リソース消費を抑えるための改良が加えられた。特にビットマップを多用するアプリケーションについては、実行時のメモリ使用を大幅削減することに成功した。

ビデオ関連の改良では、デスクトップ向けにハードウェアベースのH.264ビデオ デコーディングを搭載。ビデオ再生時のパフォーマンスを改善し、よりスムーズなフレームレートを実現し、システムリソースの使用を削減する。また、HTTP Dynamic Streamingにより、高品質メディアを状況に合わせ、ビットレートを変更しながらライブ・オンデマンドで配信する手段が拡大した。さらに、Real Time Media Flow Protocol(RTMFP)によりピア アシステッド ネットワーキングとマルチキャストにも対応。各ピアはWeb経由のリアルタイムのコミュニケーションとコンテンツ配信を支援し、ピア アシステッド ネットワーキング グループにも対応している。また、スマートシーク(Smart Seek)が追加され、エクスペリエンスをよりDVRに近いものとし、視聴者は新しい「back」バッファ内を検索し、サーバーへ問い合わせずに巻き戻しなどを行えるようになったという。

マルチタッチ対応として、複数のオブジェクトを同時に操作すると共に、ピンチ、スクロール、回転、拡大縮小、および2本指タップなどのネイティブジェスチャーの対応を可能とした。その他、ブラウザーのプライバシーモード対応や Cocoa完全対応といったMac版Flash Playerの大幅な変更がある。