株式会社TBSテレビ(TBS)は8月5日、総務省より「ホワイトスペース特区」の先行モデルに選ばれたことで、赤坂サカスにおいて放送実証実験を開始することを発表した。実証実験は8月7日から開始する。ホワイトスペースを活用したエリア放送を行うとともに、フルセグメントの帯域を活用して、ハイビジョン放送や地上波初の3D放送にもチャレンジする予定だという。
2012年までの間、赤坂地区の地元企業や商店街と連携した広告放送や、放送を利用したデジタルサイネージなどのビジネストライアルを様々な形で実施し、新規ビジネスの開拓や赤坂地区の地域活性化を目指す。また総務省が2015年までにホワイトスペース特区の全国展開も視野に入れていることから、TBSでは赤坂サカスでのトライアルを全国に展開する可能性も検討していく。なおTBSでは、実証実験開始にあたり、8月7日に総務省においてホワイトスペースなどの検討を進めた「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」を主催した内藤正光総務副大臣を招いて、TBS放送センターにて記念式典を開催する。
ホワイトスペースは、テレビ放送などに割り当てられている周波数の中で、地理的条件などによって、ほかの目的に利用可能な帯域を意味する。総務省の「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」は、その有効利用方策について2009年12月から7月まで検討を行ってきた。その結果、7月30日にTBS テレビを含む10社11事業をホワイトスペース特区の先行モデル地区が決定した。
今回の先行モデルに選定された事業者は、放送事業者ではTBSと日本放送協会(NHK)のみ。また、総務省の検討チームは、ホワイトスペースの有効利用方策について2010年1月に意見募集を行った。TBSは赤坂サカスのイベントと連動した「エリアワンセグ放送を拡張したエリアフルセグ放送」を提案していた。