日本電気株式会社(NEC)は 11月26日、SD映像をフルHDの映像信号に変換する「超解像トランスコーダ」の新機種「SR-1100」を製品化したと発表した。SR-1100では、NEC独自の「1枚超解像技術」により、SD映像(640×480画素)からHD映像(1920×1080画素)に拡大した際に、映像のぼやけを改善して人物や物の輪郭部分の画素表現を調整することで画像を鮮明に処理できる。
「1枚超解像技術」は、画像拡大処理などを行った場合に生じる画像のぼやけやエッジの粗さを1枚の画像データ解析・混色分離やエッジ先鋭化処理による改善により、画像拡大処理を行っても鮮明で綺麗な映像を実現する技術である。昨年発売開始したSR-1000の後継機になるSR-1100は、輪郭のぼやけ具合に応じて解像度の強弱を調整できる「画質調整機能」や超解像処理領域を指定可能な「矩形領域機能」など鮮明で自然なフルハイビジョン映像を実現する新たな機能を搭載。
そのほかにも、48段階のプリセットが可能な超解像パラメータや、アスペクト・レシオ・コンバージョン、ノイズリダクション(ランダムノイズ、モスキートノイズ)といった画像処理が可能。
価格は新機能を搭載しながらも、SR-1000と同じ300万円(税別)に抑えた。NECは、SR-1100の出荷を本年12月に予定している。ケーブルテレビ事業者やコンテンツ事業者を主なターゲットとして拡販し、今後3年間で500台の販売を見込んでいる。なお、NECは12月1日にNEC本社ビルで開催する「NECケーブルネット・フォーラム」にて、この新製品を展示する。