米AOL社は現地時間2月7日、オンラインニュースの米Huffington Post社を買収することを発表した。買収総額は3億1500万ドル。買収プロセスは、2011年第2四半期前半までに完了する見込み。

Huffington Postはアリアナ・ハフィントン女史が2005年に立ち上げたブログ形態のニュースサイト。政治、医療、教育、ライフスタイルなど多様なテーマを世界6000人以上の著名ブロガーが投稿するほか、バラク・オバマ米大統領、米Googleのラリー・ペイジ氏やハリウッド俳優達なども寄稿しており、ワールドオンライン・ニュースのランクづけで常にトップ10に入っている。毎月平均2500万人のビジターがあるサイトである。

買収完了後、ハフィントン女史は新組織The Huffington Post Media Group において、AOL全てのコンテンツの最高責任編集者に就任し、Huffington Post、Engadget、TechCrunchなどのブログメディアを含み、全AOLメディアを統括することになる。新しいメディアグループの読者数は、米国内で1億1700万人、世界中では2億7000万人になる見込み。AOLは、一度は世界のデジタルメディア業界の先駆者と言われていた。今回の買収で、強力なブランドアイデンティティーを獲得し、その位置を取り戻そうとする意向だ。

AOLはTime Warnerから切り離された2009年以降、米Google出身のCEOティム・アームストロングの下でコンテンツプロバイダーとしての地位確立を目指してきた。同時に財務実績と株価を上げるための取り組みとして、何百人もの従業員を一時解雇している。同社が2月2日に発表した2010年の業績は、売り上げが前年比26%減の320億ドルで、7億8200万ドルの純損失だった。

また、マーケットリサーチ会社eMarketerによると、AOL社は2010年の米ディスプレイ広告収入において、5.3%のシェアがあったという(前年比1.5%マイナス)。一方、Facebookは2009年から倍増の13.6%を占めた。