米Blackmagic Design社によると、ポストプロダクションのテクニカラー社で、映画「ザ・ファイター」のグレーディングにおいて同社のカラーコレクション・システム「DaVinci Resolve」が使われたという。ザ・ファイターは、ゴールデン・グローブ賞2冠、アカデミー賞では、ベスト・ピクチャーを始め7部門にノミネートされているデヴィッド・O・ラッセル監督の作品。俳優のマーク・ウォルバーグとエイミー・アダムスがプロデュース、出演している。クリスチャン・ベールとメリッサ・レオがともに、その演技でゴールデン・グローブ助演男優、女優賞を受賞し、日本では3月26日より公開予定。

テクニカラー社ではハリウッド・スタジオで、カラリストのトニー・ダスティン氏がグレーディングを担当、ラッセル監督とポストプロダクション・スーパーバイザーのクリストファー・クリコウスキー氏、撮影監督のホイテ・バン・ホイテマ氏が携わった。「監督は本作品をオリジナルストーリーと同じくらいリアルでパワフルなものにしたいと考えていた。そのため全てのショットを、いかにも創られたというよりも、より自然な人間らしいルックにしなければならなかった」と、ダスティン氏は説明している。

様々な編集を経て、スクリーンでは、ボクシングジムの気骨さや、マサチューセッツ州のローウェルを舞台とし、ボストンと対照的な労働者階級地区の雰囲気、そしてプロの戦うリングの激しさがリアルスティックに表現されている。

ダスティン氏が編集で採用した、カラーコレクション・システムDaVinci Resolveは、MacとLinuxをプラットフォームとしており、Linux版は他社製システムよりも多くのリアルタイムカラーコレクションに対応していることで知られている。 GPUクラスターパワーにより、多数のプライマリやマルチポイントトラッキングといった編集処理でもリアルタイムで行える。

Blackmagic Design社は、2009年9月に米da Vinci Systems社を買収し、DaVinciといったハイエンド・プロダクション志向のカラーグレーディングおよびフィルム・レストレーションを入手した。