米カリフォルニアをベースにライブイベント放送の運用サービスを手掛ける米Coastal Media Group社(CMG)では、FOX SportsNet(FOX)が放送するMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)中継の現場オペレーションを例年引き受けている。

2年前、当社の8台カメラを搭載できるHDプロダクショントラック「Truck 1」用のスポーツサーバをAbekas社製Miraプロダクションサーバに差し替えたことで、予定の30%の予算で収めることができ、満足できる費用対効果が出せているという。MLB中継オペレーションをFOXから受注して2年目、現在はこの中型HDトラックでMLBスプリングトレーニングの中継を行っている。

「当時、クライアントがEVS社のサーバを指定してきたが、クライアントの予算にも合わず、厳しい選択だった」と、CMGの代表者ボブ・アドラー氏は米スポーツビデオ・グループの取材記事で述べている。同社が、EVSサーバの代用となりうる、価格を抑えつつも同等のパフォーマンスを持つサーバを探して行きついたのが、Abekas社製のMiraサーバだった。Miraサーバは4チャンネル仕様ではあるが、何よりもクライアントの予算内で収まるスポーツパッケージを提供できたことが最大の選択価値だったという。

EVSに慣れた現場オペレーターも、新しいサーバのコントローラには違和感なく直ぐに慣れて使えた。中継トラックにはChyron製HyperXキャラクタージェネレータとFOR-A製HVS-300HSスイッチャが搭載されていたが、キーヤーのソースが増えたため、FOR-A製の8チャンネル入力を持つHVS-500を追加したという。

今年は衛星/プロダクショントラックに隣接させた個別のトレーラーも用意した。ディレクター、TD、グラフィックス担当はトレーラーに移動させ、他クルーのためにトラック内のスペースを開けた。MLBスプリングトレーニング試合の中継は4台の中継カメラを使っている。中継車に衛星トランスミッションを含めたプロダクションパッケージ価格は、1試合あたり8500ドル以下に収まっているという。

CMG、Abekas社ともNAB2011に出展する(CMGのブース番号SU2610、Abekasのブース番号SL1416)。