米Apple社の最高経営責任者スティーブ・ジョブズ氏は、カリフォルニア州クパチーノ市議会で、建設予定の新しい本社についてプレゼンテーションを行った。WWDC(開発者会議)で現地時間6日に基調講演を行いiCouldについて発表した翌日で、姿を現したジョブズ氏に対しては会場から拍手が起こり、写真を撮る多くの傍聴者がみられた。
「丁度スペースシップ(宇宙船)が地上に着陸したような姿」とジョブズ氏は、プレゼンテーションのスライドに映された4階建ての巨大なドーナツ型の建物について説明を始めた。この新本社は、Hewlett-Packardから買収した、東京ドームが13個以上収まる広さの敷地に建築される予定だ。場所は高速280号、Tantau North Wolfe、Homesteadに挟まれた場所になる。巨大な建物は湾曲したガラス張りになるが、これについてジョブズ氏は、(アップルストアのデザインなど)経験値を活かすので全く問題ないとしている。
ジョブズ氏は「Appleは雑草のように伸びてきた会社」と語り、「1 Infinite Loop:ひとつの無限ループ」となる新本社に、現在分散した建物にいる従業員を含めて12,000人の従業員を収容する予定だという。現在のApple社は「Infinite Loop」という通りの前にあり、本社とする建物は「1(one) Infinite Loop」で、その回りに2から6までの番号がつけられた建物で分散されている。また現在緑化率は20%だが、それを80%にする予定であること、新社屋のエネルギーは自家発電でまかなうといったグリーン計画も説明された。地域柄、ほとんどの従業員は自家用車での通勤となる。その駐車場の90%は地下4階建てになる。ジョブズ氏は「12000人が1つの建物で仕事ができる。今までにある大企業のオフィスを見てきたが、どれも1つの敷地に似たような建物を並べてあるだけで、社員は直ぐに飽きてしまう。我々は従来とは違う、そしてより良い環境を目指している。我々の新本社は世界で最高峰になれるだろうと自負している」と加えた。
Apple社は来年に着工、2015年に新本社に移転する予定。また新社屋を建設しても現在の建物は残すという。