米大手メディアNews Corporation(ニューズ・コーポレーション)と米広告ネットワーク会社Specific Mediaは現地時間6月29日、ニューズ・コーポレーションが傘下のソーシャルネットワーキング・サービスサイト「MySpace」をSpecific Mediaに売却したことを発表した。
売却金額といった詳細は公開されていないが、米Wall Street Journalの報道によると、ニューズ・コーポレーションはSpecific Mediaの少数株主となり、Specific Mediaが支払う金額は約3500万ドルだという。また発表当日、MySpaceの最高経営責任者マイク・ジョーンズ氏は社員全員にメールで報告をしており、この買収に伴って辞任するとも述べている。また今回の合意内容の1つに、多くのグラミー賞やエミー賞を獲得している歌手ジャスティン・ティンバーレイク氏が、MySpaceのクリエイティブディレクションと戦略開発を行うことが明らかにされている。
MySpaceでは多くのミュージシャンやアーティストが専用サイトを開設している。MySpaceは以前、米オンライン・マーケティング会社Intermix傘下であったが2005年にニューズ・コーポレーションがIntermixを買収したことで今度はニューズ・コーポレーションの傘下となっていた。
当時SNSの先駆者であったが、Facebookの登場以来、市場を占領されてしまっている。今回の買収に参加しているティンバーレイク氏は皮肉にも、ヒット映画「ソーシャルネットワーク」でショーン・パーカー役を演じている。
ニューズ・コーポレーションは、タイムズ・20世紀フォックス・FOXテレビジョンなど大手新聞、テレビ、映画会社などを傘下におさめる世界的な複合メディア企業。最近では、iPad向けの電子新聞「The Daily」を発刊しe-inkへのメディアにも注力している。Specific Mediaはティンバーレイク氏の協力を得て、MySpaceをオリジナルのショー、ビデオ、音楽に最初にアクセスできるポータルサイトとして発展させる意向を示している。