英Meduza Systemsは9月8日よりオランダ・アムステルダムで開催されるヨーロッパ最大の放送機器展IBC2011にて、最新4K解像度対応S3Dカメラ専用レンズ「Delta 4K S3D Meduza Lens(デルタ・4K S3Dメデューサ)」を初公開する(ホール9、スタンドA40)。

今回発表されたデルタ・4K S3Dメデューサレンズは、レンズデザイナーKenji Suematsuが設計したもので、従来の2D光学レンズに比べても非常にコンパクト、フォーカスのずれがない精確な焦点距離を保つ。セットには8ペアのフォーカルレングス(合計16レンズ:1.9/35mm、1.4/23mm、1.4/17mm、1.4/12mm、1.9/10mm、1.4/8mm、2.1/6mm、1.8/4.8mm)が用意されている。フォーカス、アイリス(絞り)のリングには50個のボールベアリングが内蔵されており、これら制御は、米Preston Cinema Systems社3Dコントローラで遠隔制御が可能になるという。カメラ仕様が2/3型やSilicon Imaging、Iconix、Flareの小型センサーカメラに対応できる。

Meduza

Meduza Systemsは、映画やテレビ産業向けの3D画像キャプチャリングシステムを開発している英3D Visual Enterprises社がカメラに特化した技術開発をする部門として設立された。同社が開発したMeduzaカメラシステムは、3072x4096解像度を持つ、シングルシステムでHDTVからIMAXシアター並みの15/70mmフィルムの巨大スクリーンまで対応できる実用性の高いS3Dカメラシステム。この春のNABにて一般初公開された。モジュールタイプのシステムで、センサーを自由に構築できるシステムとなっている。レンズは2K仕様IAヘッドモデル「ANACONDA」ではMeduzaもしくはCマウントを装着でき、4K仕様IAヘッドモデル「BOA」ではMeduzaもしくはARRIレンズから選択できる。またオープンソースでiPadやAndroid端末のワイヤレス制御を開発できる。

Meduzaカメラシステムは、9月に正式出荷を予定している。7月にアトランティスからスペースシャトルの最後の打ち上げが行われたが、その際にNASA本体がこのMeduzaカメラを使用し、4K解像度の3Dと2K解像度のハイスピード(120fps)で撮影したという。