英BBCのリサーチ&開発研究所(R&D)はIBC2011にて、地上デジタル放送用規格DVB-T2の新規格「DVB-T2 Lite」向けに開発したモジュレーターおよびデモジュレーターを一般初公開する(ホール1.D81、DVBブースにて)。
BBCでは2011年7月7日より、R&Dが開発した変調機を使って、東ロンドンにあるR&D施設からDVB-T2 Liteプロファイルの伝送を実験的に行っている。実験は、OFCOMからテストライセンスを取得し、UHFチャンネル53(730MHz)で実施されている。DVB-T2 Liteは新プロファイルとして、最新のDVB-T2仕様書(バージョン1.3.1)に含まれているため大掛かりな追加開発はなく、改めて開発にかけるコストを抑えることができるという。DVB-T2は、第2世代の地上デジタル放送用規格として、2009年12月より英国で送信が始まった。
その後2010年4月より正式に放送が開始され、「Freeview HD」の愛称で呼ばれている(地上デジタル放送は「Freeview」と呼ばれている)。BBCはDVB-T2のときと同様、規格推進としてライセンス提供を行い、新規格に対応する機器の開発協力を促している。新プロファイルは、既存の送信インフラを再利用できるよう、また個々のコンポーネントの別途最適化を行うため、単一マルチプレックスでT2信号と同梱でき、ハンドヘルドデバイスへも高画質で安定した中継放送を行えるという。