米Facebookは先週22日、米サンフランシスコで行われた恒例の開発者向けのカンファレンス「f8」にて、メディア業界をFacebookに取り込む新機能を発表した。ユーザープロフィールのページがデザイン雑誌のようなスタイルに変わる。

Facebookの最高経営管理者のマーク・ザッカーバーグ氏は、いつものようにスニーカー、Tシャツとジーンズ姿でステージに現れ、「Timeline(タイムライン)」を採用した新しいプロフィールページと、ユーザーのアプリ利用をタイムラインやニュースフィードに表示してアプリのプレゼンスを高める「Open Graph」プラットフォームといった新機能について自ら紹介した。

Facebookアプリ表示画面

タイムラインではソーシャルアプリを追加できる。例えばSpotifyの音楽アプリを追加すると、そのアプリの利用状況がタイムラインとニュースフィードなどに反映され、音楽を再生するとそれがタイムラインとリアルタイムフィードに表示される。これを見た友達がフィードをクリックすれば、同じ音楽を同時に再生することができる。プライバシー設定の強化のひとつとして、メディアコンテンツにフィルターをかけられる機能も付いている。この機能の登場で、FacebookユーザーはFacebookのサイトから直接Huluからのテレビ番組を友達と一緒に観ることや、SpotifyやRhasdodyといったオンライン音楽サービスから好きな音楽を聴くことも許される。

タイムライン

今までは、自分の気にいったコンテンツや情報に対してリンクを貼れる「like(いいね!)」で他のFacebookユーザーと情報の共有をしていたが、Open Graphの機能拡張により今度は、「Read(読んだ)」「Watched(観た)」「Listened(聴いた)」といった、具体性のある新しいボタンが加えられるようになった。これにより新たなユーザー獲得のアナライズも期待できる。Open Graphは昨年の「f8」で発表された、Webサービスやアプリがそれぞれに形成している「ソーシャルグラフ」を結び付けるプラットフォーム。

新しいプロフィールは、数週間以内に全ユーザーが利用できるようになるという。タイムラインは、モバイル版アプリでも表示できる予定。

水面下でメディア業界と計画を進めていたFacebookだが、今回の新しいユーザー機能により、メディア業界とのタイアップに拍車をかける。この動きは、6月に登場したGoogleの新しいソーシャルメディア展開Google+やTwitterの動きを意識してのことと見られている。RhasdodyではFacebookユーザーに対して、1300万タイトルが揃ったカタログから無制限で聴ける無償トライアルを始め、またワシントンポスト誌ではソーシャルリーダーという新聞記事を共有できるサービスを開始した。

Facebookは、メディアコンテンツとのインテグレーションを深め、視聴者側へのアピール柱になることで広告費を生み出せるとしている。メディア業界から見れば、Facebookユーザーが自分のプロフィールページに好きな音楽や映画、テレビ番組について自由に紹介することで、広告と同じ役目を果たすことになる。また新プロフィールにより、ユーザーがfacebook上で費やす時間を増やす目的もあるとみられる。

カンファレンスでは、6月にFacebookの取締役に就任した、Netflixのトップでもあるリード・ヘイスティングス氏がズッカーバーグ氏と一緒に登場し、NetflixのDVD郵便レンタルサービスやオンライン視聴サービスとのタイトなインテグレーションが期待できるコメントを述べた。既に今年に入って、Warner Bros.の「ダーク・ナイト」やUniversal Picturesの「ビッグ・リボウスキ」など、ハリウッド映画配給会社がFacebook上で映画作品をレンタル視聴できるサービスが始められている。

米ロイターによると、Facebookはメディアサービスの拡充のために、映画や音楽業界との提携交渉で陣頭指揮を執れる大物幹部のヘッドハンティングを行っているという。事実、Netflixのヘイスティングス氏だけでなく、2009年末には、Facebookの最高執行責任者であるシェリル・サンドバーグ氏がWalt Disneyの取締役会に加わっている。

カンファレンスの基調講演の冒頭には、ザッカーバーグ氏に扮した俳優のアンディ・サンバーグ氏が登場し、Facebookの会員数が8億人突破したことを示すグラフを背景に、「もうユーザー数を数えるのは止めた」と語った。その後、本物のザッカーバーグ氏が登場し、8億人の会員数とアクティブユーザーが初めて5億人に達したことを正式に発表した。

(山下香欧)