ソニーは、米国パナビジョン社と共同開発したデジタルシネマカメラ「ジェネシス」と、ソニー製デジタルシネマカメラ「F35」において、米国テレビ芸術科学アカデミー(The Academy of Television Arts & Sciences:ATAS)より、2011年のエミー賞を受賞したことを発表した。授賞式は米国ロサンゼルスにて現地時間の2011年10月26日夜に開催された。

エミー賞は、1948年にATASにより設立され、テレビ技術や科学技術の発展に寄与し、貢献の高かった企業・団体や個人に対して授与される。

ソニーとパナビジョンが共同開発し、2005年に製品化された「ジェネシス」と、ソニーが2008年に製品化した「F35」は、共に撮像素子にスーパー35mm相当の単板CCDを搭載。両製品とも高色域と広いダイナミックレンジの高精細映像の撮影に加え、「ジェネシス」はPanalogガンマで、「F35」ではS-Logガンマにより、映像の幅広い諧調表現を実現。光の三原色を忠実に再現するフルRGB収録や、動きに効果を与える可変速度撮影など、映画やCM、ドラマなどハイエンドコンテンツ制作領域で利用されているデジタルシネマカメラ。

テレビ芸術科学アカデミーは今回の授賞理由として、「単板撮像素子によるデジタルカメラの技術開発の先駆者であり、スーパー35mm CCDによりゴールデンタイムの番組制作で創造性の向上に多大なる貢献をしたこと、デジタルシネマカメラで革新的なブレークスルーを成し遂げたこと」を挙げているという。

ソニー「エミー賞受賞」の歴史

1973年 トリニトロン カラーテレビの開発
1976年 UマチックVTRの開発
1979年 放送業務用タイプCフォーマット1インチVTRの開発
1982年 盛田昭夫 特別貢献賞「Directorate Award」
1984年 タイプCフォーマット1インチVTR「BVH-2500」の開発・商品化
1985年 高速度記録ビデオシステム”スーパー・モーション・ビデオ・システム”の開発
1986年 ベータカムVTRフォーマットの開発・商品化
    家庭用VTR「ベータマックス」の商品化によるタイムシフトへの貢献
    番組制作時の編集システム「オフライン編集システム」を開発
1988年 D-1フォーマット4:2:2コンポーネントデジタルVTRの開発および実用化
1989年 D-2フォーマットデジタルコンポジットVTRの開発および実用化
1990年 静止画像転送技術の報道への貢献 自動カセット管理システムの番組送出の自動化への貢献
    放送局用ビデオ機器に使用されるメタル・テープの技術開発
1991年 森園正彦の放送業界への貢献
    コンパクトディスクのデジタルオーディオ技術 CCD(電荷結合素子)技術
1993年 シリアル・デジタル・インターフェイスの実用化
1994年 CCD用マイクロレンズ技術の開発
1995年 「デジタルベータカム」VTRフォーマット開発・商品化
1998年 HD(High Definition)テレシネシステムの開発および実用化
1999年 デジタルHDスタジオVTR「HDW-500」の開発および実用化
    チャールズ・スタインバーグの米国放送業界への貢献
    DVD技術の開発
2001年 平面FDトリニトロン管の技術開発および実用化
    HD1080/24Pシステムの技術開発および実用化
    民生用カムコーダーの技術開発および実用化
2004年 HD1080/24Pシネアルタ・カムコーダー “Panavised F900″の技術開発および商品化
2005年 プレイステーション(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
2006年 クロスメディアバー(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
2007年 デュアルショックアナログコントローラー(ソニー・コンピュータエンタテインメント)
2008年 AVCHD(ソニー他)
    サーバ/VTRコントロール用シリアルインターフェースおよびプロトコル(ソニー他)
2010年 ハワード・ストリンガー
    ブルーレイディスクの技術開発(ソニー他)
    HDスーパーモーションシステムの商品化(ソニー他)

計36件