米アドビ社は11月1日(現地時間)に、ビデオ広告配信および管理技術をもつ米Auditude Inc.を買収したことを発表した。買収額は約1億2000万ドルと言われている。

AuditudeはMLB.comやStarz、デイリーモーション、Foxニュースらをクライアントにもち、彼らのプレミアコンテンツを広告キャンペーンなどと一緒にマルチプラットフォームへ配信する技術を持っており、アドビは同社のAdobe Flash Media Server
4.5と Adobe Passと融合させて動画配信プラットフォームを確立したい意向である。

「Auditudeは映像技術に焦点を置いているだけでなく、タブレットやスマートフォンそしてゲームコンソールといったデバイスへのコネクティビティに置いても追及している。消費者側からはポータブルデバイスでTVライクを楽しみたいという要求が高まっているが、今現在はまだ実現していない。それにオンライン上でプロフェッショナルなハイクオリティの映像は全体のたった5%しか存在していない」と、メディアソリューションズ担当の副社長およびゼネラルマネージャーであるトッド・テレシ氏が公式ブログで語っている

アドビは、Auditude社を吸収し、IP経由でマルチデバイスへ高画質なビデオコンテンツを提供するサービス事業が市場で更に拡大していくように、オーサリング、パブリッシング、マネタイジングそしてオプチマイゼーションを一貫で提供していくという。

同社は昨年、スタートアップ開発会社の米Invite Media社買収ではGoogle社に越されてしまっていた。Invite Media社はオンライン広告のリアルタイム分析および最適化技術を持つ。しかし今年の1月にはデータ管理プラットフォームを持つ米Demdex社、そして2009年9月にはウェブ解析、計測、最適化技術を持つ米Omniture社を18億米ドルで買収している。今回の買収は、アドビ社におけるオンラインの広告市場への参入を更に進めるものと見られる。