英国最大級の独立系プロダクションのTinopolis Group社は、S4C Networkが9月から放送した「ラグビーワールドカップ2011」の番組配給元である。ラグビーワールドカップ2011はスポーツイベントとしては市場3番目の規模を持つと言われており、本年度の試合放送では、英国では、ITVとS4Cが放送権を獲得していた。米国では、NBCとUniversal、日本ではJスポーツと日本テレビが放送した。

Tinopolisは続いているS4C Networkとの番組配給契約のもと、ラグビーワールドカップ試合のライブ中継および関連番組の制作を行った。同社では施設HDインフラの一環として、Blackmagic Design製の大規模ルータシステム、288×288系「Universal Videohub 288」を導入している。

Tinopolis Groupは同社傘下のスポーツ専門プロダクションSunset + Vine Cymruとタイアップし、同大会の開催期間中ニュージーランドに滞在して、全試合ならびにラグビー関連の番組を、通信衛星と光ファイバーを介して英国ウェールズに送信した。そしてウェールズのラネリにある同社スタジオで、これらの映像からライブ番組とハイライトを作成した。

Universal Videohubは、ダウンリンクされた通信衛星映像を、収録・再生サーバーや編集スイートにルーティングしたほか、スタジオのすべてのソースをプロダクションスイートに設置されたビジョンミキサーへとルーティングするために使用された。Universal Videohubの制御にソフトウェアコントロールパネルとBlackmagic Design Smart Controlパネルを併用したことで、今までよりも迅速な入力ソースの切り替えや、衛星放送受信機、VTR、その他のサーバーからの映像をルーティングが行え、膨大な量のフッテージと番組制作に効率よく対処することができたという。

 

TinopolisはS4Cと、年間510万ポンドと言われる次年度(3月)からの番組配給契約を獲得している。同社は、国際的なビジネスへと変貌を遂げるべく、今年の夏に米国プロダクション2社Base ProductionsとA Smith & Co Productionsを続けて買収している。