2大レコード会社が保有するオンラインミュージックビデオサイトの「VEVO (ヴィーヴォ)」が、テレビ番組チャンネル化として拡充させる計画が進んでいるという話題が、今週から米報道網で伝えられている。VEVOは2009年に米ソニー・ミュージックエンタテインメント、米ユニバーサルミュージック、およびアブダビ・メディア・カンパニーによって設立された。ユニバーサル、ソニー、EMIの3社のミュージックビデオや、独自に制作した番組をYouTubeで提供している。

New York Timesによると、VEVOは、黎明期だったころのMTVのような、ミュージックビデオやポップカルチャー系の番組をライブイベントも含めて提供する計画だという。同社の最高経営責任者Rio Caraeff氏が米POST誌のインタビューに答えたところによると、現在はケーブル局などではなく、スマートTVやセットトップボックスの製造会社達と話をしており、ソニーのグーグルTVやAppleのiTVにVEVOアプリを実装して放送することが有力だと考えられている。また、YouTube、Yahoo!、AOLやCBS Webサイトからアクセスでき、またPandoraサービスのような、個人の趣味などに合わせてカスタマイズできるインタラクティブな機能を実装することも検討しているという。

VEVOが12月20日に発表した報告書によると、10月での米国内のユーザー数は5700万人で、月に約8億2700万のビデオがストリーミングされているという。この数値は2009年12月のサービス開始当時の400倍の成長となっている。

現在はGoogleとVEVOで広告収入を折半している。広告収入がメインであるVEVOは、独自ブランド化となって、エンドユーザーからの直接のアクセスによってより多くの広告収入を期待している感もある。

(山下香欧)