英BBCでは今年の夏にロンドンで開催されるLondon 2012 Olympic Gameの模様を3D中継で放送する。BBCは昨年12月に開催されたデジタルTVサミットでも、3D中継を予定していることを示唆していたが詳細は述べていなかった。BBCはオリンピックの公式放送局ではないが、英国内でマルチプラットフォームへ放送できる権利を得ており、2500時間以上の試合模様を放送していく。
3D中継は、開会式から男子100メートル陸上競走の最終決勝、デイリーのハイライトや閉会式などで実施する。これらはBBC HDチャンネルで放送されるという。3D放送中の際、フルHDでの放送はBBC Oneを通して視聴できる。昨年の全英オープンテニス(ウィンブルドン)を3D中継で提供したときと同じく、ケーブル、衛星そして地上波から視聴できる予定。
BBC 3D担当主任のキム・シリングロー女史は「オリンピックという貴重なイベントは3Dで撮るべきと信じている。我々は新しい技術の放送を通じて、その素晴らしいイベントの感動と今までにない臨場感を視聴者に伝えていきたい」と語っている。
元3D担当主任のダニエル・ナグラー氏は以前に、多くもない受信機の数であれ、3D放送は通常の伝送帯域幅に影響してくるかもしれない、と懸念を示していた。
BBCが2009年に3D放送をすることを発表して以来、3D市場の成長は思ったよりもスローである。開会式や閉会式では他の競技が行われないため、3D中継の伝送も問題なく行える。ただ他の競技が複数で行われる期間中は、どの競技を3D中継するべきかはまだ決まっていないようだ。
BBCでは、3D中継のほか、マルチスクリーン向けに24時間ライブストリーミング放送、そしてスーパーハイビジョンでの収録も行われる予定。
(山下香欧)