株式会社ビットメディアが開発した、P2P(Peer to Peer)技術とクラウド環境を駆使したストリーミング配信ソリューション『ShareCast(シェアキャスト)』の新機能の簡易クリップエディタが、NHKのロンドンオリンピック向けネット動画の制作ワークフローの一環として採用されているという。

新機能『ShareCast Playlist Editor』はWebブラウザで動画クリップを即時に簡易制作できるもので、NHKのネット動画の制作ワークフローの中で、PC/スマートフォン向け特設サイトの競技別動画や、ネット接続デジタルテレビのハイライト動画等の制作で使われている。

新機能は、HTTP Live Streaming(HLS)フォーマットの特徴である5秒~10秒程度の動画セグメント・ファイルを連続再生させる仕組みを活用し、再生する一連のセグメント・ファイル群の in点とout点をWebブラウザ上でプレイリストとして指定するだけで簡易カット編集が行える。複数チャンネルのライブ動画のセグメント・ファイルをクラウド環境にキャプチャしながら、ブラウザを使って動画クリップを作成していく。

同社は今回、NHK向けに本機能をカスタマイズし、ロンドンから送られる40チャンネル以上の大量のライブ競技映像と選手リストなどのメタデータを取り込みながら、多数の作業者が同時かつ即時に動画クリップを作成、責任者が管理・公開登録できる動画制作ワークフローシステムをクラウド環境上に構築した。1日当たり、数千本規模の動画クリップ制作を支える処理能力を備えているという。

同社は今後、MPEG DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP)への対応や、個人が無料で利用できるライブ中継サイトのライブ動画をリアルタイムで簡易編集してソーシャルサイトで共有できる機能の開発など、ライブとオンデマンドを統合した次世代動画プラットフォーム開発を進めていくとしている。

(山下香欧)