米Comcastと傘下のNBC Universal(NBCU)は8月1日と6日の夜、ワシントンD.C.にてオリンピックの模様を8Kフォーマットで上映した。
8K、つまりスーパーハイビジョン(SHV)フォーマットのフィードはNHK/BBCから提供されたもの。ワシントンD.C.にあるComcastの本部で上映された。NHKのSHVカメラで収録した映像は48Gbpsだ。これをH.264で360Mbpsまで圧縮し、現地からバージニア州アッシュバーンの中継点を経由してワシントンD.C.までファイバー転送された。通常のHDTVストリームの18倍という360Mbpsを通すには100Gbpsまで対応できるInternet2を利用し、アッシュバーンからはComcastの光ファイバー経由で転送。
本部では、85インチサイズのLCDディスプレイでオリジナルの48Gbpsにデコードして再生した。8台のデコーダーで1本のストリームが生成された。NBCU曰く、技術的にはライブストリーミングも不可能ではないという。ただデモンストレーションであれば、コンテンツをパッケージングし、サーバーに格納するほうが良いと判断されたようだ。
Comcast/NBCUワシントンD.Cの社長であるKyle McSlarrow氏曰く、このプロジェクトは9か月以上準備にかかったという。Comcast本部での上映は、英国および日本でパブリックビューイングされたプロジェクトの一環として(ただし一般公開ではなく)実施された。
NHKではSHV放送の実証実験を4年後に予定を繰り上げることを示唆している。米国では、SHVフォーマットを次世代放送標準ATSC3.0の一部として採用することを検討している。
(山下香欧)