米Googleが米老舗旅行ガイドFrommer’sを買収する。Frommer’sの親会社である米出版社John Wiley & Sonsが8月13日(現地時間)に発表した。買収額や条件などの詳細は明らかにされていないが、米フォーブスによると支払額は2500万ドル。

Googleは過去に、Expediaを展開する米ITA Softwareや、レストランガイドおよびレストラン評価サービスを行っていた米Zagat社を買収しており、今回、同ジャンルの企業を獲得することで旅行関連サービスを強化していく。Google傘下となった後、Frommer’sの書籍の出版が継続されるかは不明。

Googleでは、ITAやZagatのレビューを検索結果に表示させているのと同様に、Frommer’sのコンテンツをGoogleの地域情報のレビュー・コンテンツとして拡充させていく模様。さらにGoogleマップに、ZagaとFrommer の情報を組み入れ、オンラインの旅行ガイドとして充実させることで、YahooマップやMicrosoftのBing、Appleの次期マップサービスに対抗していくことも考えられる。

John Wiley & Sonsによると、Frommer’sを含め、同社事業戦略に沿わなくなった一般消費者向けのデジタル出版関連の資産を手放すとしている。

Googleは一時、リビングソーシャルの米グルーポンを二桁億ドルで買収するという噂も広まった。反面、125億ドル(一兆円)で買収したモトローラの事業については見通しが明るくなく、先日においては人員を4000人ほど削減し、事務所の約3分の1を閉鎖する方針を発表している。

(山下香欧)