米Apple社によると、iPhone5の販売台数が発売から3日間で500万台を記録した。これは同社にとって最短記録で初期出荷分は完売したという。同社いわく、9月17日時点の事前予約の状況は、iPhone4Sの時の倍である200万人以上にも及んだという。

しかしウォールストリートのアナリスト達は好調な売れ行きとは判断しておらず、中には予測が600万台数以上だった者もいたという。アナリスト達の期待予測を下回ったこともあり、9月24日の同社株価は一時10ドル下落の690.09ドルまでになり、終日は9.30ドル下落の 690.79ドルとなった。

「iPhone5の需要は信じられないほどだった。我々はできるだけ早くすべての顧客の手にiPhone5が渡せるように懸命に取り組んでいる」と、Apple社最高経営責任者(CEO)のティム・クック氏は声明文で述べている。初期出荷は完売しているが、ショップは定期的にiPhone5を入荷している。また、オンラインでの注文も引き続き受け付けており、大半は10月に配送できる予定という。

iPhone4Sの時は、発売後一週間で400万台が売れた。前回と違いソフトもハードウェアもメジャーなアップグレードとなったiPhone5に、Apple社でも世界的規模で新たな戦略に挑んでいる。iPhone5のリリースは9月21日から9か国で行っており、9月28日からは22か国、そして年内には100か国に拡大する。

Appleは、この9月締めの四半期で2500万台のiPhoneを販売する期待をたてていたが、市場アナリストからは懸念の声が聞こえてきている。消費者は既にスマートフォンを所持していることもあり、一般的にスマートフォンの販売が鈍化していることは事実だ。またiPhone4Sの時期が浸透ピークとなり、今回のiPhone5を見送るユーザーも多いとみられている。

週末の売上高は、9月30日を終了年度第4四半期のAppleの決算にも含まれる。米ブルームバーグがまとめたアナリスト予想平均によると、83.5億ドルの利益を報告することが期待されている。

(山下香欧)