米Apple社のティム・クック最高経営責任者は、iOS 6に実装した地図アプリに多くの不具合があること認め、顧客を失望させたとして公式サイトより謝罪した

謝罪文の中でクック氏は、AppleはiOS 6対応の新マップのリリースにおいて、「顧客に最高の体験を届ける、世界で最高レベルの製品を開発するという、自分たちに課したその基準に達することができなかった」と説明している。そして同アプリを改善していくことを約束する傍ら、代案として他社製地図アプリの利用も勧めている。

App Storeには「地図App」という特集ページが作られ、標準アプリの代わりとなる地図アプリが紹介され、またAppleのサイトでは「Googleマップ」にすばやくアクセスするためのアイコンの追加方法までも紹介されている。

Appleは先週水曜日に新しいオペレーティングシステムiOS6をリリース、その一部として独自マッププラットフォームの提供を行った。2007年半ばに開始された初代のiPhone以来、バンドルしていたGoogle Mapsの代替えとして初めての自社開発のマッピング技術搭載となる。しかしリリース直後から、最新の情報が反映されていない、正確な場所までの案内がされない、などの苦情がユーザーから殺到している。

IT技術オンライン情報サイトのeWeekでは、クック氏が最初にリストアップしていたMicrosoft BingをiPadで検証した結果を紹介している。米国内の地図とメタデータに関しての検証だけだが、ワシントンDC周辺の道路情報は最新のものが反映されており、周辺道路のナビゲーションも車のナビゲーションと同等レベルの正確さで表示したという。またルート変更にしても、スクリーンタッチに即してスムーズに変更を反映させたとして高い評価で説明している。画像データにしてもApple Mapsでは持ち合わせていない情報まで表示してくれるとして著者は、Apple Mapsが改善されたとしてもBingを使用し続けることを明記している。

一方Google社では、AppStoreにマップアプリをリリースする予定は全く立っていないという。これは先週火曜日、ネクサスタブレットの発表のために来日しているエリック・シュミット最高経営責任者が米ロイターの取材に対して答えたもの

「我々としては、(Apple社が) Google Mapsをキープしてくれていればとも思うが、彼らが方針を変えるよう、強いる理由もこちらにはない。結局は先方次第だ。」シュミット氏は新タブレット上で皮肉なジョークも交えながらGoogle Mapsの新機能を見せた。同社は9月28日(現地時間)、Google Mapsと3D地図表示アプリケーション「Google Earth」における強化を発表しており、米国内37地区と世界14か所で新たな45度の航空画像を追加したほか、日本を含む衛星からの一部高解像写真を更新した。

(山下香欧)