ビジュアル・グラフィックス株式会社(VGI)はInterBEE2012にて、同社がインターフェイスを含めてインテグレーションした、高速NASシステム「Wired Server」を展示した。

InfiniBand&ギガビットイーサネット(GbE)での高速スループットを持つWired Serverは、オートデスク社のCreative Finishingに特化した構成も提供されており、既に国内の映画製作スタジオやポストプロダクションの施設で採用されているという。催事ではソニー社のプロフェッショナル機器を展示しているコーナーでもオートデスク社の映像編集システムと共に展示されていた。

Wired Serverには、4ポートのGbEと、HPCで使われる2ポートのInfinband規格であるFDR(Fourteen Data Rate、56Gbps )が実装されている。

Autodesk Creative Finishing環境向けの構成では、これらネットワークインターフェース両方を使ってメラノックス・テクノロジーズ社製のInfinband 40Gbエッジ・スイッチを間に、FlameやSmokeシステムからオートデスクのStone+Wireのファイルシステム経由でサーバにあるコンテンツデータの直接的な高速転送が行える。

VGI WiredServer

また、Wired Server にXDT社のCatapultという、サーバとマルチクライアント間でのデータ転送負荷を安定させて高速化にするプロトコル/データ圧縮転送を搭載して、マルチプラットフォーム側から高速コピーやHD映像のリアルタイム再生が行えるシステムを組み上げている。1本で最大100Mb/sのGbEを3本用意することで、XDT社「Flipstream」を使ってHDコンテンツをクライアント側にコピーすることなくリアルタイムで再生することができる。Flipstreamを組み合わせれば、外部からAutodesk Stone内のコンテンツも同等にリアルタイムで参照することができるようになる。高速コピーにはXDT社「Slingshot」で、単一Gbitあたり最大113MB/sのデータスループットを実現するという。

VGI社ブースでは、実際に実機による高速データ転送を行っていたこともあり、拠点間のベースサーバを求めているプロダクション関係の来場者が多く立ち寄っていた。

(山下香欧)