米Huluは今季(2012年)の売上高が前年比65%増の約6億9500万ドル(約556億円)であることを明らかにした。これは米Huluの最高経営責任者ジェイソン・カイラー氏が12月17日に公式ブログサイトに投稿したもの。

また2年前から始めた有料サービス「Hulu Plus」の加入者数が、昨年の倍の300万人以上になったという。競合的存在のNetflix、アマゾンプライムやHBC Goがいる中、飛躍的な伸びといえる。

カイラー氏は「オンラインビデオサービスおよびオンラインビデオ広告という成長市場において頂点にいるという、二重の幸運に恵まれた」と述べているが、実際の損益や利益に貢献したものについては言及していない。ただHuluの広告主数が前年比28%増の1000社以上であることから広告事業が順調であることが分かる。

また日本市場についても特別に明記しており、過去12か月でコンテンツ数を4倍に拡充したことや、Hulu視聴可能なデバイスが5000万以上存在していることが、昨年12月時点から3倍の加入者数の獲得へつながっていると説明している(日本は有料サービスのみ)。

Huluは、NBCユニバーサル(コムキャスト)、ニュースコープ、ウォルト・ディズニー、プロビデント・エクイティ・パートナーズというメディア企業各社のジョイント・ベンチャーとして発足した非公開企業。資本関係のあるメディア企業から人気コンテンツの供給を受けていることもあり、Huluの有料サービスでも昨年から2倍のペースで増加した。同社は2011年よりオリジナル番組の制作および配信も行っており、最近リリースした旅行番組「Up To Speed」も人気という。「ブース・アット・ジ・エンド」などHuluのみで観られる”独占番組”も揃う。Huluは今年、コンテンツに5億ドル以上を投資したという。今月に入りCBSと複数年契約を交わしたことも発表している

Huluに対応するデバイスも、スマートTV(インターネット接続可能なTV)から、ブルーレイ、Wii、Wii U、Nintendo 3DS、PS3、Xboxといったゲーム機、Roku、AppleTV、Tivo、AndroidスマートフォンからWindows 8対応タブレットと拡張している。

(山下香欧)