レンチキュラーや裸眼3D技術を開発するオランダのDimenco社は、MacBook Proが実装する高解像度のRetinaディスプレイを、専用眼鏡を装着せずに立体3D視できるディスプレイに変換する薄型のデバイスを開発した。現在、商業化を進めているという。

開発されたデバイスは3mm弱の薄さで独自レンチキュラーレンズ素材のパネル。自社特許技術を用いて、内蔵Webカメラを活用して被写体の眼の動きをトラッキングしながら画像を最適化する。視聴可能な範囲は140度以内。Dimenco Clear View技術と高解像度のRetinaディスプレイにより、嘗てない高コントラスト・広い色再現ができるという。

米SpatialViewでは、ラップトップPCやiPhoneディスプレイの上に被せて裸眼3Dディスプレイ化にするレンチキュラーレンズ3DeeSlideを販売している。しかし3DeeSlideのコミュニティサイトではユーザーからの事例作品がそれほど多く紹介されていないことから、こういったアドオン的な製品はまだ広まっていないのかもしれない。

Dimencoはフィリップス社で3D技術を開発していたWOWvx事業からスピンアウトした4名が設立した新興企業。6月にボストンで開かれたSID2012(Society for Information Display)では、56インチクラスでドルビー3D技術を実装した4Kx2K裸眼3Dディスプレイを展示し、視聴者の眼をトラッキングして視聴者が一人か複数かで3D画面のクオリティを自動的に最適化する独自技術「DIMENCO DYNAMIC VIEW」で最優秀賞を受賞している。

(山下香欧)