米RED Digitalは2月12日(現地時間)、ソニー製のデジタルシネマカメラ3機種が、同社の技術特許権を侵害したとして、ソニーエレクトロニクスおよびソニーコーポレーション・オブ・アメリカをカリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所へ提訴した(民事訴訟第3:13-CV-00334-MMA-BGS)。同社は陪審裁判を要求、被告に対して逸失利益または合理的なロイヤリティを下回らない額の損害賠償額を求めているという。
提出された書類によると、対象となっているカメラはソニー社製F65、F55 およびF5である。これらモデル機種が、REDから特許ライセンス許可を受けずに製造および販売され、RED社の販売および利益損失をもたらしたとして特許侵害を主張、「For an order requiring Defendant to deliver up and destroy all infringing cameras」と、著作権侵害に値するカメラ製品の販売停止ならず製品終息も求めている。
侵害されたとする特許は#8174560(2012年8月3日)および#8358357(2013年1月22日)という2件の「ビデオカメラ」の技術。23fps以上の速度レートにおいて、センサーを通ってきた信号をベイヤーパターンのままで圧縮記録し、ガンマ処理を後で行う技術および圧縮技術自身の無断使用を挙げている。
REDは丁度、カメラ市場競合会社のARRIとのメールハッキング訴訟で調停が終わったところだった。ARRI側は、同社元幹部が代理店のメールアカウントを使って、競合先REDの情報へ非合法にアクセスしたことを全面に認め、ARRIの敗訴で終わっている。
(山下香欧)