Final Cut ProのXバージョンがリリースされた当時、米Apple社はiPadとの連動を将来展開したいと伝えていた。その言葉に応えるアプリがPixel Film Studiosより登場した。ProCutXというiPadを使ったFinal Cut Pro X専用コントロールインターフェイス(コントロールパネル)だ。所謂ハードウェアのコントロールパネルをミミックしたもので、iPad上のインターフェースに揃ったキーとジョグで、ビデオ編集からカラー調整など、FCPX上での編集機能に連動する。ショートカットキーや主要メニューがグループにまとまってパネルに並んでいることで、エディタが素早く編集できるという。

エディタは編集するビデオのポイントをジョグダイアルで探して、カットやトリムといった編集アクションを選択する。タイムライン上のクリップは、再生する頭をフレームごとに動かしていくこともジョグダイアルを使えば楽に行える。Compound Clipのグループでは、エレメントをセットとしてシングルクリップとしてまとめておき、後でクリップを開いて個々に編集することができる。サチュレーション、カラーバランスなどを調整するFCPXのカラーボードもパネルからコントロールできる。オートコレクションのグループには、ホワイトバランス、カラーバランスやノイズリダクションが揃っており、ワンタップで自動修正。オーディオ編集もマルチチャンネルで対応している。

本アプリを使うには、Mac側にもサーバーソフトウェアと新しい専用キーボードセットをインストールする必要がある。ダウンロードしたアプリをiPadで起動させた後に、該当サーバーソフトウェアのダウンロード情報が入手できる。

開発元はLightwork Solutions。次期バージョンでは、カラーコレクションツールやエフェクト調整に対応する予定。Pixel Film Studiosは、米カリフォルニアにあるビデオプロダクションでありながらFinal Cut Pro Xのプラグインを企画・開発している。ProCutXが初めてのiOS対応アプリという。ProCutXも他プラグインと同じくインハウス・ツールとして使用感、利便性を確かめながら開発が進められている。

本アプリの価格は30.99ドル。現在はキャンペーン価格(24.99ドル)で販売を実施している。AppStoreより購入できる。

(山下香欧)