米Panasonic Solutions for BusinessからNAB事前発表として、同社初のネイティブAVC-Ultra 対応、マイクロP2カードスロット実装のP2 HDショルダーカム「AJ-PX5000G」が発表された。この秋の出荷を予定しており、価格は28,000ドル。

AJ-PX5000G は、720pと1080pおよび1080iの切り替え可能で、P2カムコーダとして初めてAVC-LongGおよびAVC-Intra100/50を標準フォーマットとし、10-bit 1080/60p(AVC-Intra100の場合)に対応できるようになった。オプションでDVCPRO HD、DVCPRO50、DVCPROやDV、さらにAVC-Intra200、高解像度AVCプロキシ記録に対応する。AVCプロキシであれば、記録レートを800kbps~3.5Mbpsにまで抑えることができる。オーディオは、高音質16bit/48kHz/4CHオーディオ、24bit(AVC-Intra)に対応。

AVC-UltraはAVC-Intraをベースにマスタリング画質、4KやRGB 4:4:4などの非圧縮に近い高解像度からネットワーク用の低ビットレートまでカバーする。AVC-LongGは、1,920×1,080ドット、10bit 4:2:2サンプリング、Long GOP圧縮、映像ビットレート約25Mbps~50Mbps(AVC-LongG25/LongG50)でコストパフォーマンスの高い業務用HD映像制作を実現する。

AJ-PX5000Gは、感度F12、220万画素 2/3インチ3MOSイメージセンサを採用。CAC対応レンズを使用して、レンズ自体で補正しきれない周辺部のわずかな色収差の補正処理するCAC(Chromatic Aberration Compensation)色収差補正や、黒ツブレ・白トビを抑えたダイナミックレンジを確保できるDRS(Dynamic Range Stretcher)といった画像補正機能が施されている。

本カメラには、最大2.0Gpsまでのデータ転送が可能なmicro P2カード用のスロットとP2カードスロットが2基ずつ、そしてプロキシ(メタデータ)記録用のSDカードスロットが1基装備されている。既存のP2カム「AG-HPX600」と同じように、ファイルベースの編集ワークフローに適応するよう、ワイヤレスで外部メタデータ入力や編集ソフトウェアの多様なフォーマットに対応。WiFiのほかUSB(3.0)、ギガビットイーサネットを搭載、スマートフォンからのカメラコントロールも可能となっている。オプションで、LiveU、AVIWEST、StreamboxやTVU Networksのモバイル中継向けのアップリンクトランスミッタシステムにも対応するインターフェースを持つ。カメラ本体の重量は4キロ弱となっており、将来のモバイル中継、ENGカメラにもなりうる存在だ。

そのほかのインターフェースとして、MON out(HD-SDI出力にも可能)、HDMI、HD/SD-SDI in/out、3G-SDI out、ゲンロックin、タイムコードin/out、USB(ホスト)と2チャンネルのUniSlotワイヤレスレシーバが装備されている。

昨年のNABでAVC-Ultraが発表された際、そのエコシステムとしてAdobe、AppleやAvid社がAVC-Ultra対応のパートナーとして紹介された。今回、Avid編集システムでAVC-Ultra対応できるプラグインのリリースの見通しが立ち、ようやくそのエコシステムによる編集ワークフローがなされる。AVCプロキシ対応Avidメディアコンポーザ6.5向けのプラグイン(199ドル)、AVC-Intra 100/50エキスポート(149ドル)が6月、AVC-LongGエキスポート(149ドル)、AVC-LongGインポート(99ドル)が10月より。これらはパナソニックサイトから30日間お試し付でダウンロード購入できるようになる。

さらにmicroP2といえば、パナソニックはmicroP2用スロットを2基実装した、専用レコーダ「AJ-PD500」も発表した。ハーフラックサイズでmicroP2用スロットのほか、P2スロットも2基とUSB3.0インターフェースを持つ。AVC-LongGとAVCプロキシが標準で、AVC-Intra/AVCHDがオプションで対応する。価格は14,000ドルで今秋に出荷予定。

尚、AG-HPX600も将来AVC-Ultra、およびmicro P2カードに有料でアップグレードできるとされている。こちらの新しい情報も、今春には発表される感がある。

(山下香欧)