米グラスバレー社の発表によると、読売テレビ放送株式会社(YTV)では、コンテンツ管理からアーカイブ、送出まで完全にファイルベース化した。従来のリニア編集環境をグラスバレーのノンリニアシステムにリプレイスし、フルファイルベース環境を実現させたという。

YTVで新たに導入したシステムは、「K2 Summit 3G」プロダクションクライアント、「K2 SAN」サーバにソフトウェアベースの管理システムツール「STRATUS」で、従来から使用しているEDIUSネットワーク編集システムと一緒に構築している。

コンテンツ管理統合ツールのSTRATUSはEDIUSノンリニア編集の管理プラットフォームとして起用し、インジェストからEDIUSベースの編集環境まで、マルチチャンネルの管理が行えるようになっている。K2 SummitプロダクションサーバとK2 SANサーバは直結し、K2 SANに保管した素材を送出することができる。

そしてI/Oインターフェースの「STORM 3G Elite」をEDIUS編集ワークステーションでのソースの入出力に使っている。STORM 3G Eliteは既存のSD素材のHDアップコンバージョンおよびSD/HDフォーマットの混在編集も可能にする。

YTVでは以前にもHDのノンリニア編集ワークフローへの移行の際に、EDIUS Workgroup Serverを中心にしたネットワーク編集システムを構築しており、オフライン編集にターンキーとノートPCを連携させた、作業効率の良いワークフローを実行している。

「ファイルベース・ネットワーク環境は、運用コスト面においてもリニア編集システム環境の半分で済むケースが多い。しかしアジア圏の規模の大きい放送局でも、まだテープベースでのワークフローで日々の作業を行っている」と、グラスバレーのAPAC担当シニア副社長 ステファン・ウォング氏は発表文面で述べている。

(山下香欧)