ジンバルの進化は飽和したとの見方もあったが、DJI RS 5は実用面で確かな進展を見せている。調整の効率化や制約の解消により、撮影者が表現に注力できる環境を実現。本稿では、柳下隆之氏と小林基己氏のレポートや開発者インタビューを通じ、微調整ノブ、AIトラッキング、エコシステムの全貌を詳解。一人で高いクオリティを追求可能にする、最新システムの真価を考察する。
Part.1
「妥協」を「提案」へ変える力。DJI RS 5がもたらした身体的自由と心の余裕
txt:柳下隆之 写真:富永秀和
「妥協」から「提案」へ。スタビライザーの軽量化がもたらした真の価値

筆者が10年ほど前にRoninシリーズを使い始めた頃を振り返ると、それはまさに体力との戦いであった。当時は機材が非常に重く、ディレクターが「もう1テイク」を望んでも、カメラマンの腕力が限界に達しているために「さっきのテイクで妥協しましょう」と、絵作りを諦めてしまう場面が少なくなかった。これは表現における明らかな妥協であり、機材の重さがクリエイティブを阻害していたと言える。
しかし、近年のシステムは飛躍的な軽量化を遂げた。物理的な負担が軽減されたことで、腕力が限界になり無理だと諦めるような状況は過去のものとなりつつある。今ではカメラマンの側から「もうワンテイク、より良いショットを狙いましょうか」と提案できるほどの余力が生まれており、この変化は進化として極めて大きい。
機材の進化は単なる軽量化にとどまらない。操作性は劇的に向上し、トラッキングの精度やフォーカスシステムを含めたDJIのエコシステム全体が、より迅速かつ確実にセットアップできるよう設計されている。かつては苦労を強いられていた複雑な撮影も、現在では非常に軽快にこなすことが可能だ。
システム全体が小型・軽量化し、高度な自動化機能が統合されたことで、撮影者はより「ショットの質」を追求することに集中できるようになった。たとえディレクターがOKを出したとしても、「今の動きはもう少しこうすれば良くなる」とカメラマン側からクリエイティブな提案ができる。身体的、精神的な余裕が生まれたことによって、リテイクを負担に感じず、最後までショットを磨き上げる努力が可能になった。この心の余裕こそが、現代のスタビライザーがもたらした真の価値である。
なぜカメラボディの手ブレ補正(IBIS)だけでは不十分なのか?

そんな進化を続けるスタビライザーに対し、今いくつかの誤解が流布している。その最たるものが、カメラボディ内の手ブレ補正(IBIS)が進化し、「もはやスタビライザーは不要だ」という言説である。しかし、これは現場を知る人間からすれば大きな誤解である。
まず、カメラ単体では本格的なロングシーケンスを現実的に撮り切ることは極めて難しい。スタビライザーが真に解決するのは単なる上下左右の揺れではなく、映像のプロフェッショナルが最も神経を研ぎ澄ます「水平の維持」にあるからだ。真っ直ぐに引く、あるいは追うだけの動きであればカメラ自体の補正で対応できるかもしれないが、被写体に回り込むような複雑なカメラワークを求められた際、人が直接保持するだけでは水平を高精度に保ち続けることは現実的ではない。
長年ステディカムなどのスタビライザーを扱ってきた筆者の経験から言えば、水平維持は映像の質を決定づける重要事項の一つである。筆者は手持ち撮影の際、必ず液晶モニターに水準器を表示させ、常に構図と水平を注視している。しかし、この「水平を保とうとする意識」自体が、撮影者にとっては多大なストレスとなる。ジンバルという機材は、この最も負荷のかかる作業を自動化し、物理的に担保してくれる存在なのである。
我々スタビライザーを運用する人間は、監督がコンテに描いた数カットのシーンを一連のワンカットで撮り切るために、「ショットデザイン」として再構築することがある。たとえば、廊下を歩き部屋に入ろうとする人物を追い、ドアノブを開ける手のアップを捉え、そのまま室内の全景へとカット割が続く。このような複数のカットをワンカットで成立させようとした際には、複雑なカメラワークに手持ちではどうしても水平が狂い、結果としてプロの仕事として成立しないテイクが量産されがちだ。カメラメーカーが謳う「ブレない」という言葉は、あくまで断片的なカットの安定を指しており、空間を自在に移動する高度なショットデザインまでを保証するものではない。
また、昨今流行しているFPVモードでのダッチロール演出についても同様のことが言える。車を追走しながらカーブに合わせて滑らかにロールを効かせるといったワークは、手持ちでは再現が難しい。ジンバルであれば、物理的な三軸制御によって、意図した通りのロールを安定して映像に付与できる。なんとなく似た動きをさせることはできても、ジンバル特有の洗練されたワークを人間の手だけで完遂することは容易ではない。
こうしたスタビライザーの価値は、現場の実感だけで語られているわけではない。2024年にRonin技術全体の評価としてEmmy Award for Engineering, Science & Technologyを受賞し、さらに上位機種であるRonin 2はアカデミーの科学技術賞(Scientific and Technical Awards)でTechnical Achievement Awardにも選ばれている。スタビライザーが単なる補助機材ではなく、映像表現を成立させる基盤技術として評価されていることの証左と言えるだろう。
スタビライザーが担う「撮影システムの中核」としての真価
もう一つの誤解は、スタビライザーを「単なる手ブレ補正のための道具」と認識していることだ。現代の撮影現場においてスタビライザーが果たす真の役割は、映像伝送やフォーカス制御を含めた「撮影システムの中核」としての機能にある。
今回、Roninエコシステムの活用例として、DJI Focus Pro LiDARをRS 4 Proと併用したほか、DJI Focus Proを単体でも試用した。特筆すべきは、Focus Proハンドユニット、LiDAR、およびFocus Proグリップを組み合わせることで、ジンバルを介さずとも高度なフォーカス制御が可能になる点である。Focus Proグリップが制御の核となるため、リグを組んだカメラのサイドにこれを装着すれば、LiDARとフォーカスモーターを接続するだけでシステムが完結する。
この構成の利点は、単にオートフォーカスが可能になることだけではない。スチール撮影のようなスタイルや、機動力を重視する現場において真価を発揮する。従来の撮影では、トルクの重いマニュアルレンズのフォーカスリングを直接手で回すと、その力によってカメラが傾き、水平が崩れることが多々あった。フォーカスグリップを装着し、指先一つで操作できるようになれば、水平を保つことは容易になる。あえて臨場感を出すために「手ブレ感」を活かして撮る場合でも、フォーカス操作による不自然な水平ブレを避け、プロフェッショナルな精度を維持できるのだ。
筆者は現在DJI製以外のワイヤレスフォーカスシステムを愛用しているが、RS 4 Proと組み合わせる際には常に特有の煩わしさが伴っていた。USB-Cポートからモーターへ供給できる専用ケーブルを別途購入するか、一眼の上にDタップ仕様の電源アダプターを用意する必要があったからだ。対して、DJI Focus Proとハンドホイールの組み合わせであれば、USB-Cポートからの給電だけで実用上問題なく動作する。このハンドホイールにはブラシレスモーターが採用されており、ユニット側でトルクを細かく調整でき、エンドストップのクリック感にも優れている。筆者個人としては、操作感においてもDJIの方が好印象だ。さらに録画の開始・停止を含め、全てがDJIのエコシステム内で完結するため、複雑な配線に悩まされることもない。
また、映像伝送システムの構成も検討すべき重要な要素である。完全なワンマン体制であれば自ら確認すれば済むが、クライアントを伴う現場では映像をリアルタイムで見せる「飛ばし」の機材が不可欠となる。標準構成の「RavenEye」も優秀だが、基本的に商用の複数人運用では物足りない場合がある。そこでトランスミッターを「SDR(Software Defined Radio)」モデルにアップグレードすれば、フォーカスプラーには低遅延の受信機、ディレクターにはiPadといった複数人での同時監視が可能になる。
現場の規模が大きくなれば、複数台への同時接続ができない不便さは無視できない。ディレクターが自身のスマートフォンをモニターとして活用したり、タブレットをクライアント用モニターにするといった柔軟な運用こそが、現場における最大の時短に繋がる。撮りながら全員で確認し、その場でOKテイクを判断することは、円滑な進行のための大前提である。
また、筆者はRoninシリーズの初代やRonin-Mの頃から、DJI製以外の様々なトランスミッターを併用してきた。しかし、DJI SDR Transmissionを試して驚いたのは、Roninシリーズと組み合わせるための専用マウントパーツが最初からセットになっている点だ。これまでユーザーが自作したり、社外品を探し回ったりしていた手間が一切不要になった。この「最初から全てが揃う」安心感は、撮影前日の機材チェックにおける不測の事態を防ぐ意味でも大きい。
今回のRS 5へのアップデートでは、「DJI 電子ブリーフケースハンドル」のグリップがDJI RS 5コンボでセットになった点も特筆に値する。特にローアングル撮影で「煽り」のショットを撮りたい際、これまでは本体のスティックを操作するために無理な体勢を強いられていたが、グリップ側で制御可能になったことで自由度は格段に増した。

結局のところ、スタビライザーは常に使うかどうかに関わらず、現場に必ず備えておくべき不可欠なツールである。手持ち撮影に限界を感じた瞬間、即座にジンバルへ切り替えられる体制こそが重要だ。DJI RS 5はセッティングの迅速化という面で劇的な進化を遂げており、セットアップへの苦手意識があった人でも取っ付きやすい。筆者自身、Proモデルが登場した際には即座に買い換えることを決めている。
数十人分のパフォーマンスを一人で引き受ける、現代スタビライザーの到達点
少人数であっても、かつての大規模な撮影クルーに匹敵するパフォーマンスを実現できる時代が来た。大型のステディカムを駆使して撮影していたようなロングシークエンスを、よりコンパクトな体制で成立させるという意味で、RS 5は極めて重要な位置にある。
撮影現場にレールを敷いていた時代を振り返れば、その変化は劇的だ。数十メートルものレールを敷設してようやく撮れたトラッキングショットが、今や一本のスタビライザーで成立する。スタンリー・キューブリック監督の1957年に公開になった「突撃」では、戦場の塹壕(ざんごう)をシーンを、板を敷き詰めドリーを走らせたというエピソードが知られている。そうした過酷な歴史を知る人間からすれば、この進化は奇跡に近い。
実際、Roninシリーズはすでに映画やドラマといった本格的な映像制作の現場で多く使われている。近年では、映画「怪物」や「イクサガミ」といった話題作においても、スタビライザーを前提としたカメラワークが印象的に用いられている。もはやジンバルは、条件付きで選択される特殊機材ではなく、表現設計の初期段階から織り込まれる存在になりつつある。
今やLiDARフォーカスを組み合わせれば、事実上一人で完結度の高いトラッキングショットが成立する。数十人を要した仕事が、たった一人に集約されたのだ。今の若い世代が、かつての撮影がどれほど大変だったかを知る必要はないのかもしれないが、知っている人間からすれば、片手でこれほどの映像が成立してしまう現実は驚愕に値する。
だからこそ、これからスタビライザーを手に取る人たちには、単に「大規模な撮影が楽になった」という段階で満足してほしくない。過去の技法をコンパクトに再現するだけでなく、この進化した道具を使って「これまでにない新しい表現」をどう生み出すかを考えるべきだ。
もはや、Roninをシステムの中軸に据え、そこから世界に通用する新しい撮影技法を組み立てていく時代はすでに始まっている。このパフォーマンスを武器に、未踏の映像表現を切り拓いていくこと。それが現代のクリエイターに課せられた挑戦であり、醍醐味であると筆者は確信している。
Part.2
【DJIインタビュー】RS 5が追求した「製品の引き算」とは?
txt:編集部 写真:DJI JAPAN提供

Roninブランドが掲げる「自由な創作」というビジョンは、RS 5においていかに具現化されたのか。DJIが重視する「製品における引き算」という設計思想、初心者やソロクリエイターの負担を軽減する機能群の意図、そしてブランドが描く今後の展望について、DJI Roninマーケティングチームに話を聞いた。
Roninシリーズが製品開発において一貫して掲げているビジョンと、ユーザーに提供したい体験とはどのようなものでしょうか?
Roninは「自由な創作」というビジョンのもと、ユーザーが目の前のその瞬間を捉えることだけに意識を向け、創作の喜びを心から味わえることを一貫して目指しています。そのために私たちは、長期的なプランのもと段階的に機能を進化させながら、最終的にはより包括的な機能へとアップグレードできるよう、日々取り組んでいます。
また、私たちは「製品に引き算を行う」ことを常に心がけています。「製品に引き算を行う」とは、機能を減らすことではなく、統合的でシステマティックな設計によって操作性を向上させ、ユーザーの負担を軽くすることを意味します。とくに初心者向けであるほど使い始めやすくし、操作プロセスはよりシンプルであるべきだと考えています。
RS 5は、どのようなユーザー層をターゲットに開発された製品ですか?
RS 5は、初心者やソロのクリエイターを対象に、操作のハードルを下げつつ、より多様な創作への挑戦をサポートする製品です。
RS強化型スマートトラッキングモジュールを使用することで、難しい操作なしに、初心者でもトラッキングを維持しながらチルトやオービットなど多様なカメラワークをすぐに実現できます。また、人物・車両・ペットなど動きが予測しづらい被写体でも、モジュールがすばやく認識し、トラッキングミスを減らすことができます。
ソロの動画クリエイターであれば、チームのサポートがなくても自身のトーク映像をよりダイナミックに演出できます。さらに自動トラッキング機能を活用すれば、足元の状況やルートが複雑な環境でも周囲に気を配りながら、安心して撮影に集中できます。
このように、RS 5の機能が撮影の効率化にどうつながるのか、さまざまな撮影シーンでぜひ試していただきたいと思います。
RS 5において、プロ向けの「効率性」と初心者向けの「操作性」をどのように両立させているのですか?
Roninはこれからも、効率化・始めやすさ・初心者にやさしいという価値をさらに押し進め、ユーザーの負担を軽減し、初心者やソロでの映像制作の効率を高め、クリエイターが創作に没頭できる製品づくりを続けていきます。RS 5の目標はその具体例であり、プロにはより高い効率性を、初心者にはより簡単に撮影を楽しめる操作性を提供する方向性を体現しています。DJI RS 5および今後のRonin製品が、皆さまの撮影活動をより効率的に支え、創作の喜びに満ちた世界で想像力を解き放つ手助けとなることを願っています。
Part.3
【実機レポート】「完成形」の先があった。DJI RS 5が突きつける、ジンバル進化の衝撃
txt:小林基己 写真:編集部
DJIのRSシリーズの進化はこれまで継続して追ってきたが、ここ最近はその進化のスピードがやや落ち着いたように感じていた。実際、RS 4 Proは仕事でも頻繁に使用しており、ミドルレンジジンバルとしては一つの完成形に到達したのではないか、とさえ思っていた。
しかし、最新モデル「RS 5」を実際に手に取った瞬間、その認識は完全に覆された。まだこれほどの改善の余地が残されていたのかと、率直に驚かされた。
今回、最も衝撃的だった進化を挙げるとすれば、間違いなくバランス調整機構の刷新だ。各軸に微調整用の「微調整ノブ」が搭載された。一見すると些細な変更に思えるかもしれないが、その効果は絶大である。調整スピードは体感で従来の2倍、いや3倍近く向上しているのではないだろうか。
従来のようにロックを緩め、スライドさせながら最適な位置を探る方法は、テフロン加工によって滑らかとはいえ、mm以下の微妙な調整が難しく、行ったり来たりを繰り返すことも少なくなかった。そのもどかしさから解放される快感は、何ものにも代えがたい。 この微調整ノブを一度体験すると、これまでバランス調整にどれほどの手間と時間を費やしてきたのかを痛感する。作業負担は明確に、そして大幅に軽減されている。これが3軸すべてに搭載されている恩恵は、まさに筆舌に尽くしがたい。
もう一つ特筆すべき進化が、刷新された「電子ブリーフケースハンドル」だ。従来モデルにもブリーフケースハンドルは付属していたが、実態はまったくの別物と言っていい。その決定的な違いは、「電子接点」の有無にある。
従来のハンドルが単なる保持具に留まっていたのに対し、電子ブリーフケースハンドルでは多彩なリモート操作が可能になった。録画の開始・停止はもちろん、グリップ上のジョイスティックによるカメラ操作まで実現している点は、極めて大きな進化だ。撮影の利便性と表現の幅を同時に拡張する、画期的な刷新と言える。


ハンドルを握ったまま、親指一本でカメラを操作できることが、現場をどれほど変えるか。特にローアングル撮影ではその恩恵が顕著だ。これまで地面スレスレを這うような撮影では、下重心の機材を手首の力だけで必死に制御していた。しかしRS 5であれば、足元を確認しながら移動しつつ、「あともう少し上に振りたい」といった繊細な調整を手元だけで完結できる。
従来同じことを行うには、パン・ティルトフォローモードでジンバル全体を振り上げる必要があり、特にティルト保持には神経を使っていた。ジョイスティックが追加されたことで、最も安定するパンフォローモードのまま、意図したカメラワークを実現できるようになった点は、完成度の高い映像表現につながっている。

さらに、「RS強化型スマートトラッキングモジュール」の存在も見逃せない。人だけでなく、車やペットに対しても高精度な追従が可能とされており、現時点では人物のみのテストではあるものの、そのトラッキング性能の高さには目を見張るものがある。回り込みや足場の悪い状況でも、足元を確認しながら大胆な動きをつけられる安心感は大きい。

アクティブトラック使用時には、被写体を常に中央に捉えるだけでなく、設定した構図のままフォローできる「コンポジション(構図)調整」機能も搭載されている。「現在のフレーミングを維持」にチェックを入れることで、被写体を画面端に配置したまま追従させることも可能だ。これはRS 4 Miniにも搭載されていた機能だが、RS 5ではトラッキングモジュールの映像を本体のコントロール液晶に表示できる。どこを認識して追っているのかが視覚的に確認できる点は、撮影者にとって大きな安心材料となる。
付属のミニ三脚が進化していた点にも驚かされた。一本の脚を引き出すだけで、残りの脚が連動して一気に展開する仕組みは、地味ながらも非常に気が利いている。こうした細部からも、ユーザーの声を丁寧に反映している姿勢が感じられる。

縦位置撮影へのネイティブ対応はRS 4 Miniですでに体験していたが、RS 5ではそのパワーが相まって、より実用性が高まっている。チルト軸横のブラケットを緩めることで、ユニットを90度回転させて縦位置にセットできる構造だ。厳密にはチルト軸だけでなくロール軸の再調整も推奨されるが、メーカーが「チルト軸の再調整不要」と謳う自信は、RS 4比で最大50%向上したモータートルクに裏打ちされている。多少の重心ズレであれば、強力なトルクがそれを補い、安定した動作を維持してくれる。

RS 5は、これまでのジンバル撮影がいかに撮影者の技量や負担に依存していたかを改めて気づかせてくれる、極めて合理的な進化を遂げている。一度この操作性を体験してしまうと、旧来の環境に戻ることは難しいだろう。かつて到達点だと思われていた水準が、実はまだ通過点に過ぎなかった――RS 5はそう強く実感させる一台である。
プロフィール:柳下隆之
写真家アシスタント、現像所勤務を経て、撮影機材のプロショップ「銀一」に17年余り勤務。 一眼動画の創世記より機材やワークフローの提案を通して写真家に寄り添う。カメラマンとして独立後も一眼カメラを主たる機材として活動しながら、専門誌での機材レビューを多数手掛ける。その範囲はカメラ、レンズ、周辺アクセサリーから録音機材まで多岐に渡る。
プロフィール:小林基己
MVの撮影監督としてキャリアをスタートし、スピッツ、ウルフルズ、椎名林檎、リップスライム、SEKAI NO OWARI、欅坂46、などを手掛ける。映画「夜のピクニック」「パンドラの匣」他、ドラマ「素敵な選TAXI」他、2017年NHK紅白歌合戦のグランドオープニングの撮影などジャンルを超えて活躍。