ソニーはFIFAと提携し、この6月にブラジルで開催される第9回目のFIFAコンフェデレーションズカップにて4Kプロダクションワークフローの検証を実施する。ソニー(プロフェッショナル)は、FIFAコンフェデレーションズカップにおいて、FIFA公認システムインテグレータである。同競技がFIFAワールドカップのプレ大会のように、今回のトライアルは来年のFIFAワールドカップに備えてとみられる。

実地トライアルは、試合が行われる6か所のスタジアムからEstadio Mineiro(Belo Horizonte)が選ばれた。Mineiroでの行われる3試合が対象で、試験放送内容は視聴施設で関係者のみ視聴できるようだ。

現地でのプロダクションは英国のTelegenic社による4K中継車(OBVan)で運用される。中継車の設計はソニーが主幹となって行われた。

OBVanに積まれる機材はHDおよび4K対応のもので、Miranda社製8500シリーズのルーター、ソニー社製のMVS-8000X 3Gスイッチャ、3台のソニー社製PVM-300 4K LCDモニターに、音声に関しては英Calrec社製のApollo 5.1オーディオシステムが搭載されている。カメラはHD専用としてソニー社製HDC-2500Rと、4Kはソニー社製F55が数台使われる。

ソニーは2010年に3D放送検証も今回と同様にFIFAワールドカップおよびTelegenicの3D中継車を使って行った背景があり、Telegenicでは今回のプレ大会で3D中継車も出動させる予定という。

ソニーはFIFAと8年間の複数年スポンサーシップを契約しており、2014年が契約最後の年となる。来年のFIFAワールドカップは、ホスト放送局HBSの技術プライマリパートナーが現場システム構築、運用を管理することになっており、今回のプレ大会でのプロダクション環境もHBSとサブシステムインテグレーターの独sono Studiotechnikがソニーとタイアップして構築している。

ソニーはまた、6月に英国で開催されるテニス大会の最高峰ウィンブルドンでも同じように、4Kライブプロダクションのワークフローを試みる予定。

(山下香欧)