オーストラリアで最大規模の有料TV会社FOXTELでは、昨年より「FOXTEL GO」というOTTサービスを開始している。加入者は追加料金無しで、専用のiOSアプリを通してiPhone/iPadで現在放送されている番組を視聴できるというもの。利用できるのは同時に2台のモバイルデバイスまで。

開始当時は、プレミアTV番組、TV番組シリーズやFOXのスポーツ番組チャンネルだけだったが、この春以降からユニバーサル、ディズニーやSkyニュースなど、一挙に50チャンネル分を拡張し、現在は60チャンネル以上のライブ放送を提供している。またFOXTEL専用のセット・トップ・ボックスiQHD の専用テレビガイドと連携がとれており、インターネットTVからでも後から視聴できるキャッチアップ機能も追加された。

開始当初からFOXTEL GO向けのストリーミング配信に米エレメンタルテクノロジーズの高速エンコード処理システムを導入している。今回のサービス拡充に伴い、新たにシステムも拡張した。同社のエンコード技術は、GPUパワーを併用するため高速にエンコード処理ができるという。

FOXTELは、オーストラリア最大級のテレコム、テレストラと米ニュースコーポレーションの共同出資で設立された。FOXTELではリモコンキーIDで100から990まで揃っているほど膨大な番組数を提供している。国内での加入者数は昨年統計で、約160万世帯。

エレメンタルは来週6月18日よりシンガポールで開催される映像機器展「ブロードキャスト・アジア(Broadcast Asia 2013)」にて、パートナー社deal Systemsのブースで最新のビデオエンコードソリューションを展示するという。また今週、米ワシントンDCで開催されているケーブルショーでは、米国三大MSOの1社、コムキャスト社のブースで一般公開された、3+ギガビット4K映像配信のエンコード技術も担当している。

(山下香欧)