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7月31日(現地時間)に開催されたMLS(Major League Soccer)の試合(MLS vs ASローマ)で、審判が着用したワイヤレスのPOVカメラシステム”Ref-Cam”が捉えたシーンがオンエアされた。

米ブロードキャスト・スポーツ社(BSI)が開発したRef-Camは、ラグビーやバスケットボールなどインドア・アウトドア問わず、様々なグループスポーツ試合で試験的に使われてきた。最近では6月8日に行われた女子プロバスケットボールリーグWNBAのレギュラー試合でも採用され(ABC/ESPNが放送)、WNBA審判のラモント・シンプソン氏は、グラスレスフレームのメガネタイプのカメラを装着している。

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今回MLSで使われたカメラ本体は4.5㎝x2.85㎝、長さは8.9cm、重さは約107グラム。1080i HD解像度で収録でき、カラーバランスから黒レベル、ディティールからアイリスショットに加え、ペイント機能までフルでリモート制御できるようになっている。カメラソースは他のオンサイトカメラと同じくリアルタイムでライブプロダクション側に送られるため、審判判定材料としても利用できる。伝送信号は審判が装着しているWi-FiトランスミッタからRF経由で送られる。レシーバとアンテナはスタジアムの高い位置に設置され、そこから光変換機で中継車に伝送されるようになっている。

今回は2013 AT&T MLSオールスターゲーム(開催場所:カンザスシティ・スポーティングパーク)でESPN2が放送で利用した。MLSではプロ審判機関PRO(Professional Referees Organization)に働きかけ、5月のサテライトリーグ(リザーブリーグ)で試験的放送を行っており、MLSではこのRef-Camを放送技術だけではなく、判定ツールとしても評価をしているという。審判からの目線で視聴観戦できるのは視聴者から注目を集められる、インパクトある中継番組となる。BSIのゼネラルマネージャーのピーター・ラーソン氏は、今回の実績からより多くの公式試合に使われるよう、視聴者からの声も期待している。

(山下香欧)