Blackmagic Designの発表によると、上海に拠点を置くポストプロダクションスタジオ、8G Postproduction Workshopは、人気のリアリティ歌番組の中国版、「I AM A Singer」のファーストシーズンを、DaVinci Resolveを使ってカラーグレーディングしているという。
「I AM A Singer」は、金曜日の夜に人民TVで放映されている人気のリアリティ番組。各エピソードは、38台のカメラを使って様々な設定およびフォーマットで撮影されている。毎週放映されるその他のリアリティ番組と同様、「I AM A Singer」の制作スケジュールは非常に厳しい。制作スタッフは、400時間におよぶフッテージから90分の番組を作る。この作業は8日間で行われるが、そのうちカラーグレーディングに割ける時間は20時間以下しかなく、厳しいスケジュールに加え、膨大な時間を必要とする処理もある。8G Postproduction Workshopは、同プロジェクトに3式のDaVinci Resolveを使用している。8G Postproduction Workshopのマネージャーであり、カラリストでもあるWeida Xu氏はこう語る。
Weida Xu氏:カラリストたちは、グレーディングを始める前に、編集チームから送られた一本化されたメディアファイルを、各ショットごとに分割しなければならないこともありましたが、DaVinci Resolveの自動シーンカット検出機能のおかげで、時間を大幅に節約できました。EDLまたはXMLがあれば、ResolveをクライアントのSANに接続してコンフォームできます。同番組は様々なフォーマットで撮影されていましたが、Resolveはこれらのフォーマットをトランスコードなしで、そのままグレーディングが可能です。
事前に準備されたシナリオに沿ってセット内で撮影する劇場映画やコマーシャルとは異なり、リアリティ番組の撮影は、どのような悪条件の下でも、常に「その場で実際に起こっていること」を捉える必要がある。そのため悪条件下で撮影されることもあり、ホワイトバランスや色かぶりの原因となることがある。このような問題が発生した場合、ショットごとにResolveで修正しなければならない。
Weida Xu氏:Resolveは、一般的なカラーコレクションに加え、多くの効率的なセカンダリーツールを限定的なエリアで使用できます。例えば、A地点からB地点へと素早く移動する人物をトラッキングする必要があるとします。Resolveの自動トラッキング機能を使用すれば、オブジェクトを選択して、キーフレームを作成するだけです。残りの複雑なトラッキングの作業は、すべてResolveが実行してくれます。つまり、限られた時間を有効に使って、より制作価値の高い番組を作れるんです。
カラーグレーディングを終えると、カラリストたちはやり残したショットがないかどうか確認する。
Weida Xu氏:Resolveのタイムライン管理機能は、何千カットにおよぶタイムラインから、カラーコレクションされていないショットを見つけ出す際に非常に便利です。この機能は、カット数の膨大なTV番組や長尺のプロジェクトの制作に最適ですね。多くのカラリストたちは、Resolveを習得してカラーグレーディングの分野に参入しています。Resolveはカラリストの考えに合わせて作られています。暗部、中間部、ハイライトを精密にコントロールできるYRGB処理は、この良い例でしょう。さらに、DaVinci Resolveのノードベース処理は、より直感的に使えるので、覚えやすいです。