楽天株式会社が、シンガポールを拠点とし、世界のテレビ番組をインターネット配信しているVikiを買収することが明らかになった。

当初は楽天CEO三木谷博史氏のツイートで確認したというAllThingDが先駆けてニュースにしており、追って現地時間の9月1日になってVikiが公式ブログで明らかにした。

AllThingDによると、買収金額は2億ドルだという。Vikiは、世界各国のプレミアテレビ番組、映画や音楽ビデオを、クラウドソース上にある字幕をつけてPCやモバイルデバイス向けに配信している。

Vikiは、”video”と”wiki”の掛け合わせで生まれたネーミングの通り、コミュニティのメンバー(=ファン)がボランティアで、好みのコンテンツに好きな言語の字幕化を行っている。この同社の160か国語以上の言語に対応する字幕技術は、世界経済フォーラムより2014年技術パイオニア賞を受賞している。

Vikiはこの春に、1か月あたり2200万のビューワーを持つサイトとなった。ビューワーの30%はモバイルデバイスからアクセスしているという。番組はユーザーには無料で提供しており、番組のコンテンツ制作者と広告収入をレベニューシェアする形式で収益化を行っている。

Vikiから見れば巨大なEコマース企業である楽天ではあるが、コミュニティを立ち上げ、そしてグローバル文化を構築していくという活動を行っているとして、”同じ価値観や哲学を持っていると共感を寄せた”、とブログで告げている。

買収された後も、Global TV Powered by Fansの運用を行っていき、さらに世界各国のコンテンツを拡充していくとしている。

(山下香欧)