カメラマウント型のワイヤレスビデオトランスミッターを開発している米Teradek社は、英Vitec社に3040万ドル(約31億円)で買収される。発表はVitecから先週行われたものだが、今週Teradekの代表からユーザーのもとへ、今回の報告と今後の方針などについて語られた通信が送られた。
Vitecからの最初の提示額は1490万ドルであった。その後、現金で1150万ドル分を分割および条件付きで支払われることになり、完了後の運転資本次第、つまり2015年末の決算時の利益に依存することになる。
Vitecは過去に様々な技術開発企業を取り入れており、Integrated Microwave Technologies(Nucomm社がグループ傘下)を5年前に買収してからも、映像のワイヤレス伝送技術のニーズ拡張と市場成長を確信していた。今回Teradekを獲得するのも、同社のワイヤレス伝送の製品ラインを強化するためという。
Nucommは今春のNABで、ワイヤレスビデオトランスミッション製品「Nucomm Connect Live」の試作品を展示している。本デバイスは、COFDMと、技術提携したDejero社開発の独自アダプティブビットレート対応のセルラーボンディングを搭載したカメラマウント型のボックスで、衛星から3G+LTE+Wi-Fi+イーサネットを合わせて映像伝送できる。
Teradekのスタッフは今までと同じくカリフォルニアを拠点とし、ブランドも維持していく。同社は、Vitec傘下となることで、ゲームチェンジャーになりうる新しい製品開発の資金も潤沢になると期待している。
(山下香欧)