4Kメディアにも対応した「Media Composer 7」
今年6月に発売を開始したMedia Composer 7のデモが行われていた。特徴は、4Kメディアへの対応だ。いくつかの意味があり、Media Composer 7で4K素材を取り込んで編集してAAFでサードパーティ製品に渡して4Kのコンフォームという方法が1つ。最終フィニッシュはサードパーティ製品に渡すことになるけれども4Kの編集までつながりますよ、という形だ。もう1つが、4K、6Kなどの高解像度ソースを直接HDにて編集する、新しく搭載されたFrameFlexツールやLUTサポートを使うという形だ。高解像度ソースに関しては、XAVC HDにネイティブ対応で、XAVCでインポートやレンダリングも可能になった。カラーマネージメントに関しても設定可能で、もしカラースペース情報をもっていない場合は「Source Setting」の「Color Encoding」で変換したいカラースペースを選択して設定が可能だ。そのほかにも、フォルダを作ってそこに落とせば指定されたコーデックにトランスコードしてくれる「Dynamic Media Folders」なども便利な新機能だ。オーディオ関連ではPro Toolsとの親和性も上がっていることもある。
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Avidのソリューションの特徴の1つに、Interplay CentralまたはInterplay Sphereを活用することによってほとんどの作業をリモートで行えるというものがある。ステージやブースでは、リモートを使ってどういった協調編集作業が実現できるのかというデモも行われていた。具体的には、東京にあるサーバに対して、大阪にいるエディタがインターネットをつないでリアルタイム編集を行うというものだ。通常のローカルでやっている編集とまったく変わらない機能とレスポンスで編集できる環境を実現可能だ。Media Composer 7の環境であればMacであろうがWindowsであろうがこのような作業が可能で、もちろん素材のアップロードも行える。
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Chromeブラウザを使って遠隔地のInterplay Centralにアクセスしているところ。Interplayという管理系ツールの中に入っている管理された素材を確認することができる
ICONとSystem 5製品シリーズを強化した「Avid S6」
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10月に発表されたばかりのAvidのS6コントロール・サーフェス
オーディオ製品の中ではAvid S6が注目だ。大きくわけて6つの特徴があることが紹介されていた。1つ目がモジュールデザインになっていること。ユーザーの予算やニーズに合わせて拡張できるようになっている。2つ目は人間工学に基づいたデザイン。どこからでもどのパラメータにも手が届くようになっている。3つ目は拡張性や安定性を求めたネットワークの接続性。EuCon Ethernet接続が搭載されていて、サーフェスをPro Toolsやその他のEuCon対応DAWに直接通信できる。4つ目がPro Toolsソフトウェアを実際に見なくてもミキシングすることができる。AvidならではのPro Toolsとの統合環境を実現しているというところだ。5つ目がLogic Pro、Nuendo、Cubase、EuCon対応DAWなどのサードパーティなどをコントロールできるようになっていることだ。6つ目はAvidがビデオとオーディオも含めて、もっとも最近アピールしており、実際に動いているワークフローで作業ができるなどをポイントとして紹介していた。
2倍のストレージ容量と新たに数多くのソフトウェア機能を加えた「ISIS 5500」
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ラック中央のものがオンライン共有ストレージ・システムAvid ISIS 5500
サーバソリューションではIBCで発表された「ISIS 5500」が展示されていた。ISIS 4.5ソフトウェアも同時に発表されて、扱えるファイル数は前のバージョンの300万ファイルからISIS 5500であれば800万ファイルまでに強化された。また、Red Hat Linux 6.2互換アプリケーションを使ってISISに格納されたメディアのリアルタイムアクセスをサポートしたので、AutodeskのFlameやSmokeといったアプリケーションも接続できるようになった。ISIS 5500の容量は最高384TBだ。ポストプロダクションであれば300TBあればかなりのものができるだろうし、これから4K素材が増えることを考えればこれぐらいの余裕があるということも注目だろう。
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