米エレメンタル・テクノロジーズ(エレメタル)社といえば、10月27日に行われた大阪マラソンでは、ケイ・オプティコム社が実施したH.265/HEVC技術を利用したリアルタイムエンコードによる4K映像の伝送実験において、4K30fpsのHEVCリアルタイムエンコード技術に貢献している。このイベントでの実証実験は世界初の試みとなった。

同社は今回、新たに4K60fpsのHEVCリアルタイムエンコード技術を実証したことを発表した。スポーツイベントの中継を高精細映像で視聴者まで届ける方法として、一歩前進したワークフローが実現できた。そこで実機によるデモンストレーションが本日、英国ロンドンにて再現される。

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デモでは、先月開催されたメジャーリーグサッカー(MLS)のウェスタンカンファレンス準決勝をREDのEpicで収録した4K RAWデータを使う。H.264(4K60p@80Mb/s)に変換されたストリームファイルをエレメンタルのライブエンコーダー2台でHEVC(4K60p@14Mb/s)にリアルタイムでエンコードし、複号化するPCベースのデコーダー側にネットワーク経由で伝送、ディスプレイポートを介してPlanar社製の84型ディスプレイに再生する。来年初頭には、カメラソースをベースバンドで取り込み、リアルタイムでエンコードできるという。20Mb/s以下で低遅延であれば、ケイ・オプティコム社が大阪マラソンで実施したことと同様に、IPTVサービスでの4K中継放送が十分あり得る。

米国ではネットテレビ配信サービス業者や衛星放送業者が、来年初頭には4Kコンテンツを扱うプレミアムサービスを開始することを公言している。今回のエレメンタルの先を行く開発が、業界の意気込みの支援になるだろうと、同社では期待している。

(山下香欧)