Blackmagic Designの発表によると、オーストラリアのロックバンド、スパイダーバイトの新しいミュージックビデオ「It’s Beautiful」の制作に、Blackmagic Cinema CameraとDaVinci Resolve 10が使用されているという。また、撮影のBカメラとしてBlackmagic Pocket Cinema Cameraが使用されている。監督はオーストラリア・メルボルンに拠点を置くディレクター、トビー・アングウィン氏。

「It’s Beautiful」のMV

1989年の結成以来、20年以上にわたり音楽シーンで活躍するスパイダーバイトは、カバー曲「Black Betty」でオーストラリア・レコード・インダストリー・アソシエーションのシングルチャート1位を獲得。同アルバム部門トップ20ランキングでは5位を獲得した。バンド名がそのままアルバムタイトルとなった、同バンドの7作目「SPIDERBAIT」では、バンドの歴史が詰め込まれつつも新しいサウンドへの挑戦がなされている。

 

アングウィン氏:「It’s Beautiful」のミュージックビデオにおいてメンバーが求めていたのは、楽曲にピュアなイメージを持たせ、先験的なサウンドを表現することでした。そこで私たちは、3体のパペット人形がメルボルンのダウンタウンを歩き周り、そこで見つけるあらゆる物に美しさを見いだしていく様子を映像で表現することにしました。

パペット人形を使うのは初めてでしたので、撮影にどれくらいの時間がかかるか予測できませんでした。また、カメラを業者から借りるよりも、Blackmagic Cinema Cameraを購入する方が費用を抑えられました。コンパクトなサイズ、RAW収録機能、13ストップのダイナミックレンジ、購入しやすい価格という点で、私はこのカメラに目をつけていたんです。

収録中、ショットとショットの間、またはアングウィン氏が撮影を始めた瞬間に、天候が快晴から一気に曇り空に変わってしまうことも少なくなかった。

アングウィン氏:この収録は、Blackmagic Cinema Cameraの広いダイナミックレンジとISO設定なしでは不可能でした。

風が問題でない場合でも、絶えず変わり続ける光が悩みの種でした。しかし、Blackmagic Cinema Cameraのラティテュードと13ストップのおかげで、光の問題はポストプロダクションで簡単に調節できました。収録した映像は本当に素晴らしいもので、私はRAW収録機能を大変気に入っています。

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アングウィン氏:パペット人形がとても小さかったので、ショットによっては非常に低い姿勢で撮影を行わなければなりませんでした。このような撮影にPocket Cinema Cameraは最適で、本当に狭いスペースでも撮影を行うことができました。

カラーグレーディング前
カラーグレーディング後

ポストプロダクション作業に入ると、アングウィン氏はDaVinci Resolveのトラッキング機能とPower Windowを駆使して完璧なカラーグレーディングを実現したほか、オンライン編集機能やOpenFXプラグインなどバージョン10の新しいツールを活かしてワークフローおよびフィニッシングの作業工程を能率化したという。

アングウィン氏:少し編集する必要があったので、DaVinci Resolveの編集機能には本当に助けられました。

また、Sapphireプラグインのおかげで、最後の段階で映像に若干の輝きを加えることができ、他のステップを踏む必要がありませんでした。これらのフィニッシング・ツールはポストプロダクション作業において不可欠です。プログラム間で行ったり来たりを繰り返して時間を無駄にすることなく、DaVinci Resolveを使って、そういったツールに効率的かつシームレスなアクセスが得られたんです。