ヒビノ株式会社は、同社が取り扱うAKGのオートマチックミキサー、「DMM6」と「DMM12」を2014年3月19日より販売するとアナウンスした。メーカー希望小売価格は、DMM6が税抜290,000円、DMM12が税抜400,000円。

DMM6とDMM12は、入力信号を常に監視し、適切な出力レベルに調整することで、環境雑音やハウリングの影響を抑えてクリアな音質にするダイナミック・レベル調整機能を搭載している。音声信号と環境雑音を判別し、スレッショルド・レベルを自動調整することで環境雑音のみを減衰させるNST機能や、ONになっているマイクの本数に応じて信号を減衰させるNOMアッテネーション機能を搭載し、自然にハウリングを防ぐとしている。また、あらかじめ設定した入力に信号が入ると、その他の信号の音量が小さくなり、終了するとスムーズに元の音量に戻るダッキング機能も装備。議長や司会者のマイクに設定すれば、発言と同時に他の信号の音量を自動で下げることも可能だ。さらに、複数のマイクロホンが同じ音声を捉えたときに最もレベルの高いマイクロホンの信号を出力し、他のマイクロホンの信号を減衰させることで音の干渉を抑えるベストマイクオン機能、信号レベルや周波数がほとんど変化しない空調等の連続したノイズを判別し、必要のないマイクロホンからの信号を減衰させるノイズ検知機能も搭載している。

ほぼ全ての機能は、前面パネルに配置されたロータリーフェーダーからコントロールできる。ロータリーフェーダーは「回す」「押す」の単純な動作で操作が行え、設定状況が周囲のLEDでリアルタイムに確認できる。また、各チャンネルの信号レベルは、つまみ周囲のLEDで個別に確認可能で、ステレオの出力レベルメーターも装備している。

ヘッドホン端子では、各チャンネルやメイン出力の信号を個別にモニターでき、複数のチャンネル信号を組み合わせてモニターすることも可能。さらに、信号レベルや各信号処理機能の設定は、他のチャンネルや出力に簡単にコピー可能。前面パネルは誤操作を防ぐロック機能を備えており、ヘッドホン以外の全てのロータリーフェーダーをロックでき、信号処理機能のみをロックすることも可能だとしている。

両機は、マイクロホン~パワーアンプ間の音声制御を1台で実行する。入力には、HF/LFイコライザー、ローカットフィルター、コンプレッサー、出力にはHF/LFイコライザー、リミッター、ディレイを搭載しており、外部機器を使用することなく1台で音作りが可能。また、各チャンネルは、マイクレベルの信号はもちろん、スイッチを切り替えることなくラインレベルの信号にも対応している。信号のレベルを気にすることなく、マイクロホンやワイヤレスシステム、各種再生機器等が接続できる。ファンタム電源の供給も可能で、コンデンサーマイクロホンにも対応。さらに、メイン出力には各チャンネルの信号を自由にルーティング可能。レコーディング出力には、各チャンネルの信号に加えてメイン出力の信号もルーティングができる。

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DMM6の背面
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DMM12の背面
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DMM6は6マイク/ライン入力、1ステレオ出力で端子はXLR。DMM12は12マイク/ライン入力、2ステレオ出力で端子はユーロブロック。両機とも、外部機器での録音を可能にするステレオRCAのレコーディング出力端子や、外部フェーダーでメイン出力の音量がコントロールできるVCA端子、AMXやCrestronによる外部からの制御を可能にするRS-232端子も備えている。さらに、最大10台のDMMをカスケード接続でき、DMM6は60チャンネル+10ステレオ出力、DMM12は120チャンネル+20ステレオ出力まで拡張が可能だ。