関西テレビ放送(KTV)は2014年5月22日に同社内で開催した「4Kフェスタ2014」にて、4K60pの映像を地上波で伝送し4Kテレビに再生するという、エンドトゥエンドの次世代放送模擬を行った。

韓国では2年前より既にキー局らが地上波を使って4K試験放送を行っており、また今年のCESでもサムスン社がASTC(256QAM)規格の地上波で4K/HEVC伝送放送を展示したが、ISDB-T規格の地上波を使用した実証実験としては今回が世界初となる。

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受信側

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送信側

今回は伝送システムのそばに設置した放送波アンテナで送信し、数十センチ離れた受信アンテナで受信させた。放送波の変調方式はOFDM(64QAM)、4Kカメラで収録したコンテンツを米エレメンタル・テクノロジーズのライブエンコーダー2台を使用してHEVC@14.5Mbpsにリアルタイム処理した映像をマルチプレクサでASIにして送信、受信側では地デジチューナーとデマルチプレクサを通してTSに戻し、デコーダーソフトウェアを介して東芝製4Kレグザに再生した。

会場では、”お茶の間”に届ける現実味のある4Kの地デジ放送が初めて実現できたとして、来場者の多くの関心を呼んだ。

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お茶の間での受信側

4Kフェスタ2014は情報通信月間推進協議会の協賛のもと、KTVのなんでもアリーナスタジオにて開かれた。4K&8Kスーパーハイビジョンに関する基調講演、技術セミナーを実施。またKTV制作による4K60pコンテンツを上映。

KTVでは昨年、従来の地上マイクロ波伝送装置(FPU)を利用した4K映像の伝送実験も行っている。このときは4K映像を4分割したうえで、2台のFPUにコンテンツデータを振り分けてAVCコーデック(合計120Mbps)で伝送した。

(山下香欧)