Skyチャンネル「特別生放送SkyUHD韓国記念式典」より
KTスカイライフは6月2日、ソウル木洞KTチャンバーホールでUHD(4K)放送チャンネル「SkyUHD」の開局式を開催した。式典には、ファン・チャンギュKT会長、イ・ナムギKTスカイライフ社長などのKTグループの関係者をはじめ、ユン・ジョンロク未来創造科学部次官、ホ・ウォンジェ放送通信委員会副委員長、キム・スンジョ航空宇宙研究院院長などの政府機関、イ・ギョンシクサムスン電子DVサービス戦略部門長、シン・テギLG電子メディア研究所所長などの関係家電企業らが参加し、SkyUHDチャンネル登場に国内業界全体の関心の高さを示唆した。
10時15分を皮切りにSkyUHDが始動。会場の大スクリーンには、英国BBC制作の自然ドキュメンタリー「ヒドゥン・キングダム」が最初のプログラムとして放映された。この式典の模様は特別生放送番組としてSkyチャンネルでお茶の前にも届けられている。
4月にKTが公開したSTBの試作機
この日に始まったSkyUHDは、試験放送中は無料でサービス提供される。サービス利用を希望する4K TVの保有者は、KTスカイライフへの加入申請をすれば、HDMI2.0を持つ専用のセットトップボックス(STB)を介して、全国どこでも4K放送を視聴できる。12月発売予定の普及型STBの発売時期に本格的商用サービスとして開始する予定だ。サービス料金については、まだ正確な料金水準を公開する段階ではないという。またリアルタイム放送のほかVODサービスについても、IP用のセットトップボックスを介して実装することも検討している。
SkyUHDは24時間4K放送チャンネルとして、商用衛星の無窮号6号(ムグンファ6号)を通じてHEVC方式で伝送されている。SkyUHDの運営はKTスカイライフの子会社のスカイライフTVが行っている。
SkyUHDでは、自社制作の「宇宙から見た世界」、海外のドキュメンタリー「最後のサンゴ礁(Last Reef)」、「エクストリーム・タヒチ」などのコンテンツを毎日6時間、1日4時間循環組み合わせで送出する。今後、ドラマ、スポーツ、娯楽などのコンテンツに加え、4Kリマスターしたドキュメンタリーなど様々なコンテンツを編成する予定。また米ドラマ「ハウス・オブ・カード」と「ジャスティファイド」、そしてドイツブンデスリーガなどのプログラム放映も予定しているという。年末までに自主制作、共同制作に加え、著作権購入などを通じて、230時間分のUHDコンテンツを確保する計画だ。
KTスカイライフは、正式サービスの開始にあたり、2015年までに3チャンネルを追加した多チャンネルUHDサービスを開始する予定。「多チャンネルUHD」を通じて、韓国を越えてアジアのメディア市場のUHDリーダーシップをとる意欲を見せている。イ・ナムギ社長は式典にて、「全国放送が可能な衛星ブロードバンド性の競争力とHD、3D、OTSにつながる“ファーストムーバー(first-mover)”のノウハウをもとに、KTスカイライフがUHD放送を先導していく」とし、家電社、コンテンツ事業者、学界などと協力体制を構築して4K生態系の早期活性化にも注力していくと語った。このためKTスカイライフは今後、約102億ウォンを先行投資し、4Kスタジオから編集設備、製作の専門人材の育成まで「ノンストップUHD制作インフラ」を構築することを発表している。
またUHD啓蒙を促進する動きとして、サンダンスTVとの共同企画で4Kコンテンツの発掘と関心の高めるための「UHDコンテンツ・フィルム・フェスティバル(仮称)」を今年後半で実施するという。
(山下香欧)