Blackmagic Designの発表によると、アーセナル・メディア・グループ(AMG)が3時間に及ぶイングランドのサッカー大会「FAカップ」の優勝パレードの中継に、ATEM 1 M/E Production Studio 4KおよびSmart Videohub 4Kを中心としたワークフローを使用したという。このイベントの模様は、エミレーツ・スタジアムの外に設置された100m²のモバイルLEDスクリーンに映し出され、また世界中で20万人が同イベントをオンラインで視聴した。

同イベントの放送は2部構成。第1部は「Arsenal Player」の中継で、この一環として途中でVTRを差し挟みつつ、プレゼンターがクラブの公式ショップであるArmouryの外でファン達と交流した。第2部は、FAカップでのアーセナルFCの活躍を振り返り、プレゼンターのナイジェル・ミッチェル氏は、エミレーツ・スタジアム内にいる第2部のプレゼンターたちともやりとりを行った。

ライブプロダクションでは、すべてのセクション間で効率的なコミュニケーションが取れることや、出演者やディレクターが実際の映像を見て状況を把握できるように、中継映像をエミレーツ・スタジアムの地下にあるテレビスタジオで受信できることが重要だった。AMGのプロダクション・マネージャーであるペトロ・ミューク氏は、5系統のHD入力を扱うことのできるシステムが必要だったため、Blackmagic Design製品を選択したという。

ミューク氏:トークバックの付いた5系統のカメラ入力と、Sky Sportsのヘリコプターから送られるライブ映像を、Blackmagic Designの12×12 Smart Videohub 4Kルーターを介してATEM 1 M/E Production Studio 4Kへ送信し、スイッチングを行いました。スイッチャーから出力をメインスタジオへと送信し、さらにこのライブプログラムを、世界最大規模のモバイルLEDスクリーンに映し出したのです。

また、各カメラの独立したモニタリングフィードをSmartView HDとSmartScope Duo 4Kモニターに送信し、ポスプロで使えるように、3台のHyperDeck Studio Pro SSDレコーダーで5台のカメラ入力をすべて収録しました。

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ミューク氏:合計1200メートルに及ぶ3つのケーブルドラムの外装光ファイバーを使用しました。一連の光ファイバーケーブル経由で、ライブ映像をエミレーツ・スタジアムの地下に設置したBlackmagic Compact Videohubルーターとスイッチャーへ送信したのです。私たちは、3軸ケーブルを使ったトークバック、タリー・ソリューションでこれらの信号を送受信しました。また、ATEM Studio ConverterとATEM Camera Converterをバックアップ用のファイバーソリューションとして使用しました。

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ミューク氏:メインとなる映像は、スタジアムの外に集ったファンのためのライブ映像でした。私たちは100m²の超大型LEDスクリーンと、2つ目の25m²のスクリーンにこの映像を映し出したのです。また、アーセナルのデジタル会員のためのオンライン配信も非常に重要でした。10万人のサポーターがオンラインで同時に視聴しており、3時間に渡るこの番組の視聴者は、トータルで20万人近くになりました。これは1日のライブイベントとしては非常に大規模なものですが、Blackmagic Designは、私たちのファンに最高の番組を届ける上で、重要な役割を果たしたのです。