Blackmagic Designの発表によると、ヨーロッパのカルチャーTVチャンネルであるArteが、旧インドシナ地域の色鮮やかで多彩な文化を探索する新シリーズの撮影をBlackmagic Pocket Cinema Cameraのみで行ったという。
ベルリンに拠点を置くStory House Productionsは、同シリーズで5本のドキュメンタリーを制作。それぞれのドキュメンタリーでは、タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーの旧インドシナ各国を小規模な撮影クルーが旅して回り撮影を行った。
Story Houseにとっての課題は、どうすればその地域の物理的な美しさだけでなく、各国の特徴や実際の旅の雰囲気を伝えられるかということであった。ベトナムおよびカンボジア編の2本のドキュメンタリーを担当したStory House Productionsのクリスチャン・シドロウスキー氏は次のようにコメントしている。
シドロウスキー氏:これらの国々を実際にバックパッカーとして旅しているような感覚を伝えるために、私たちは撮影中ずっと公共の交通機関を使用しました。また、各ドキュメンタリーでは、現地に住む8人の生活の様子も紹介しています
5本すべての撮影に参加した撮影監督のアンドレ・ゴッツマン氏は、撮影の多くをハンドヘルドで行い、フィルムモードで撮影することにより、Blackmagic Pocket Cinema Cameraのダイナミックレンジをフルに活用したという。
ゴッツマン氏:自然なシーンを撮影するという点において、Pocket Cinema Cameraのサイズは非常に重要だったんです。カメラが小さければ小さいほど直ぐに、人はカメラが回っていることを忘れてしまいます。つまり、被写体となる人物とアイコンタクトを取りながら、彼らの気を散らすことなく、より近づいて撮影することができるのです。
朝、撮影を開始してから夕方までずっと、常にカメラを手にしていましたね。Pocket Cinema Cameraは私の相棒だったんです。旅の途中、偶発的にいろいろなショットをたくさん撮ることができました。これは、それまでの撮影ではなかったことです。Pocket Cinema Cameraのおかげで、文字通り、その国に溶け込むことができたんです。
ゴッツマン氏:どのような撮影機材を使用するのであれ、2種類の画が撮れることが必要です。地元の素朴なビーチなど、風景を捉えるワイドアングルショット、そしてそこに暮らす人物のインタビュー映像など、ディテールを捉えるクローズアップショットです。撮影クルーは少人数なので、使用できる照明も非常に限られていました。しかし、Pocket Cinema Cameraなら、どんな場所でも素晴らしいルックが撮れると確信していました。
シドロウスキー氏は監督という視点から、Pocket Cinema Cameraがキャプチャーできるカラースケールに満足していると言う。
シドロウスキー氏:DaVinci Resolveで仕上げたのですが、Pocket Cinema Cameraで撮影したフッテージはグレーディングに最適でした。タイムラインにフッテージを簡単にインポートして、全体のグレードを各映像に適用することで、インドシナ地域特有のビビッドなカラーを強調することができたのです。今回のプロジェクトには、Pocket Cinema Cameraが正しい選択だということは、最初から分かっていました。そしてポスプロが終わった今でも、その考えは変わっていませんよ。
上記のアジア旅行ドキュメンタリーは、2014年後半にフランスおよびドイツにおいて、Arteチャンネルで放送予定。